「たいあっぷ」でタイトルロゴ等の外注は可能かどうか
新規Web小説サイト「たいあっぷ」の、クリエイター向け情報共有記事となります。
今回は、「ロゴなどの装飾・デザインを第三者に依頼できるか」について、運営に問い合わせをおこない、回答を頂きました。
簡単にですが、その情報をこちらに記載します。
☆公式関係URL
たいあっぷ 公式サイト(2021-05-17現在はクリエイターページのみ)
https://tieupnovels.com/
たいあっぷ note
https://note.com/tieupnovels
たいあっぷ Twitter
https://twitter.com/tieupnovel
まずはじめに、コンテストページなどにある作品投稿の注意事項にこのような記載があります。
> ●第三者に出版権や著作権が帰属しているイラストや小説は投稿できません。
すると多くの人は、「小説書き、絵描きのどちらかが制作したものしか作品に使えないんだな」と思われるかもしれませんが、厳密には一定の条件を満たしていれば第三者が関与した制作物も利用可能です。
第一の例は、「著作権がそもそも失効されているもの」です。
著作権には保護期間があり、死後70年がそれに当たります。逆にいえば、年月が経って著作権が無効になったものは、小説やイラストの表現に組み込んで利用することができます。
たとえば歴史ジャンルなどでは、著作権の切れた昔のものを素材や題材として扱うこともできますね。
第二の例は、「著作権が小説書き、またはイラストレーターに譲渡されたもの」です。
これに関しては、まず運営に送った質問と、その回答を要約して記載します。
Q.イラストレーターによっては、タイトルロゴの装飾などをデザインするのが苦手な人もいたりする。
そうした時に、第三者のデザイナーに著作権譲渡を約束したうえで、ロゴ等のデザインを外注して作ってもらい、これをたいあっぷの表紙に組み込むことは可能だろうか?
A.「たいあっぷ」外の第三者とのやり取りにトラブルが発生した場合には、一切の責任を運営が負えないものの、権利関係がクリアされているのであればロゴの外注などは可能である。
ただし、そのような外注をおこなう場合には、たいあっぷ中の相手クリエイターとしっかり話し合って、きちんと合意が取れた状態でおこなうように。
つまりは、著作権が譲渡されたものは素材として利用可能ということになります。
まず「著作権」と表記した時、多くの場合にこれが指すのは「著作財産権」となります。出版のために必要な「複製権」だったり「公衆送信権」だったりが、この財産権に当たります。
ただし、これは譲渡が可能な権利となります。したがって、
「『たいあっぷ』というサイトで電子書籍形態のノベル作品を作りたい。
その表紙に、デザイナーさんのつくったタイトルロゴが欲しい。
報酬は〇〇円で、著作権はこちらに譲渡していただく。
また販売の都合上、著作者人格権の不行使もお願いしたい。」
といった要件で依頼を出し、それにデザイナーが合意してタイトルロゴなどを制作してくれたのならば、その素材をたいあっぷ表紙に利用することが可能となります。
ここで注意してほしいのは、著作財産権は譲渡できても、著作者人格権は譲渡不可能という点です。
著作者人格権は、簡単に言えば、「自分の著作物が意図しない使われ方をした時に、これに抗議して取りやめさせたり修正させたりする権利」のことです。
しかし、いつ抗議されて販売停止や作品修正をさせられるかも分からないと不都合なので、多くの商業的取引では「著作者人格権の不行使」を契約の条項に盛り込むのが通例となっています。
もし「たいあっぷ」で作品を公開、そして販売を目指すのであれば、デザイナーに素材を一部外注する場合でも、やはり著作者人格権の不行使契約を結んでいたほうが無難でしょう。
(そのほうが、たいあっぷ運営には迷惑がかかりませんし)
例として、SKIMAなどにおけるロゴデザインの相場は以下のようになっています。
SKIMA デザイン部門
https://skima.jp/item/search?cc_id=7
ただしこれらのコミッションは、著作権譲渡を含まないものが大半です。著作権譲渡を含めると、やや依頼価格は高めになるのが予想されます。
(リクエストで募集すれば8000円前後、プロレベルになると譲渡込みで2万前後といったところでしょうか。ただし実績を求めている人に当たれば、安めに取引できたりする場合もあります)
もちろんイラストレーターの人が自分でデザインできることが一番簡単だとは思いますが、場合によってはどうしてもロゴデザインが苦手という方もいらっしゃると思います。
最終手段としては、このような外注も可能だと頭の片隅に置いておくと良いかもしれません。
また何か有益そうな情報があれば、クリエイター向けに記事を書いていこうかと思います。
今後とも、どうぞよろしくお願いします。
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