先生はなぜ、授業中、物を取り出す時に「テッテレー♪」と歌うのだろう
※今年、アメブロにアップしたログのなかから、人気の高かった、6月にあげたものを、ほとんどそのままコピペをしてアップします。(言葉尻を整える程度のことはしました)
6/24(土)。土曜参観。
いろんな意味でとても充実した一日を過ごしたのだけれど、今日、判明したことを以下に記す。
参観の授業(3時間目)の前、2時間目に、とある児童とマンツーで過ごした、算数の授業でのことだ。
わたしはよく、今年度に限らず、算数の授業中に、「スモールライト」、「ビッグライト」という、ドラえもんの秘密道具の名前を使って、10倍とか1/10とかの説明をする。
それでピンとくる子もいれば、ピンとこない児童も、そりゃ居る。それは別にどうとないこと。
ただ、今日はいつもと様子が違って。
なんだか、その、クラスの我が子の表情が、いつに増して、戸惑いの表情を浮かべている。
しばらくして、その児童(5年生)いわく。
「先生、(さっきから言っている)『どらえもん』って、なに??」
え?
『ドラえもん』が、わからない?
「知らない。」
おもむろに、教室の一角に立ち寄り、”セッキー文庫”(自腹を切って揃えた学級文庫)のなかから、「ドラえもんで学ぶ歴史」シリーズ、みたいな書籍の、その表紙を見せる。
「これ、ドラえもん。知ってる?」
「…知らない。」
アニメーション番組のことにも触れたのだが、それも見ていないよう。
そして、彼の口から強烈な一言。
(表紙を見て、)「これ、タヌキ??」
「違うちがう、ぼくはれっきとした、ネコ型ロボットなんだよ!」
と、彼(ドラえもん)を代弁するように、なんとなく、その声色をまねて強弁したのだが、そもそも、声色をまねたところで、くだんの五年生には、そのわたしの行動の意味が通じていない。
とりあえず、我が家に眠る「ドラえもん」の単行本を今度貸してあげるよ、と約束することで、話をなんとか収めた次第。
…それにしても、ちょいと驚きなできごと。
当たり前のように感じていたそのことが、実は当たり前ではないのだと、新たなパラダイムシフトが起こった(大げさ)と感じた瞬間でした。
いや、むしろ、このような出来事は、これから、趨勢的にわたしの身に起こっていくのだろうな、と、覚悟しなくちゃ。
そういえば、わたしは教員になってからずっと、よく授業中、何かものをどこかから取り出す際に、つい、(半ば無意識的に)
「テッテレーー♪」
と歌いながら、ドラえもんよろしく、その説明をするのだけれど、それをいま耳にする彼の胸中としては、
『先生はなぜ、授業中、物を取り出す時に「テッテレー♪」と歌うのだろう??』
くらいの、心持ちだったのだろうな。
意味不明な、心境だったのだろうな。