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Martin O-18K 1926 ~プリウォーマーチン購入雑感04:手が届く(かも知れない)プリウォー~

※先に断って置きますが、この後のテキストで「現実的な価格」「一般的な高級ギター」といった表現が多用されると思いますが、この価格感は大体「新品スタンダードマーチンのD-28やOOO-28位の値段」と捉えてください。


さて、前回「現実的ではない」と書いたプリウォーマーチンですが、実は少数ながら一般的な高級ギターの価格帯で購入できるモデルも存在します。

それらは主に下記のモデルとなります

・「2-XX」「1-XX」などの型番で現在はラインナップされていないモデル
・1800年代など古すぎて現在の弦やチューニングに耐えないレベルの楽器
・先述のアーチトップギター
・40年代で“プリウォー”の定義自体がグレーかつ状態の悪い楽器

基本的に最初にプリウォーギター全体で探した時と同じ感じです。

「今使うギター」として成立していることは大事なんですね(人気モデルはクラプトンやジョンメイヤーなどのアイコンが使っているなど理由ももちろんあります)

とはいえマーチンブランドとなると、これらでも現在30万以上するのですが、他のギブソンモデルなどと同様に“弾くもの”として有効に使える用途は限定されると感じます。

2番台、1番台はギリいけそうな気がしますが…現行のマーチンやテイラーなどの楽器に親しんでいる場合、メインギターとして使うにはボリューム感・弾き心地共に物足りなさを感じる気がします。

Martin 2-17 
現在だとミニギターの分類になるサイズだと思います



あと40年代の“プリウォー”の定義が怪しいというのは、これはマニアには有名な話なのでざっくり行きますが
「本当に戦前に作られた」「戦争中製造」「戦後だけど仕様的には戦前モデル」の3種類を、プリウォーを謳った方が高額で売れるため半ば意図的に混同させて“プリウォーモデル”などとしていることがあり、そのグレーゾーンである45年前後の楽器が中途半端な立ち位置となることがあるんですね。

ちなみにしっかりとしたショップは「戦争中:ウォータイム」、「戦後:プリウォー仕様の46年モデル」などと分けて表記しています。


その中で今回購入したO-18Kですが、このモデルは現在の演奏環境で普通に使えかつ価格もタイミング次第では現実的な価格域で手に入る数少ない楽器だと思います。

実際調べてみれば分かりますが、個人売買や極端に状態が悪い、オリジナル性が著しく欠けるなどの理由がない限り、現在もラインナップがあるモデルで手が出るプリウォーマーチンはこのO-18Kと、他にはO-17、00-15などのマホガニー系の楽器、先述の戦争前後40年代のOO-18、OO-21(この辺りなると状態はかなり妥協が必要です)などごく限られたモデルになります。

その中で常に市場に2~3本あり、状態や価格などで選択の余地があるモデルはこのO-18Kだけだと思います。

ということで、次回はこのモデル・O-18Kの詳細に迫ります…【続】

*『Martin O-18K 1926』に関する記事一覧
Martin O-18K 1926 ~夢のプリウォーマーチンを購入~
Martin O-18K 1926 ~プリウォーマーチン購入雑感01:とりま楽器紹介~
Martin O-18K 1926 ~プリウォーマーチン購入雑感02:きっかけ~
Martin O-18K 1926 ~プリウォーマーチン購入雑感03:本当に欲しいものは?~
Martin O-18K 1926 ~プリウォーマーチン購入雑感04:手が届く(かも知れない)プリウォー~
Martin O-18K 1926 ~プリウォーマーチン購入雑感05:O-18K 徹底分析①~
Martin O-18K 1926 ~プリウォーマーチン購入雑感06:O-18K 徹底分析②~



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