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混ぜないで! 過炭酸ナトリウムと界面活性剤
「過炭酸ナトリウム100%ですか?」
当店には時折このようなお問い合わせが届きます。
「そちらで販売されている過炭酸ナトリウムは、過炭酸ナトリウム100%ですか?」
先日も同様のお問い合わせがあり、
「はい、そうです。過炭酸ナトリウム100%です」
とお答えしたところ、
「そうですか。いえ、実は他で買った過炭酸ナトリウムを使ってみたら、モコモコと泡が出てきて」
「あれ?と思って成分をよく見てみると、過炭酸ナトリウム以外に界面活性剤が書かれていたから、そちらのはどうなのかと思いまして」
とお客様が話して下さいました。
お勧めの過炭酸ナトリウムは?
過炭酸ナトリウム配合を謳った製品は沢山あります。
過炭酸ナトリウムの洗浄力を最大限生かした用途に使いたいとお考えなら、「過炭酸ナトリウム100%」の製品がお勧めです。その他に色々配合されていると、その配合成分が過炭酸ナトリウムの働きの邪魔をする可能性があります。
成分については、製品の裏面などに記載があります。
![](https://assets.st-note.com/img/1640660731452-wrOB2M4Ciz.jpg)
過炭酸ナトリウムに界面活性剤を混ぜると洗浄力が下がる
一般小売店に置かれている「過炭酸ナトリウムの漂白剤」「過炭酸ナトリウムの洗濯槽クリーナー」などの製品には「界面活性剤」が配合されているものが少なくありません。これは基本的にお勧めしません。
それは何故かというと答えは簡単で、両者を混ぜると総合的な洗浄力が下がるからです。
洗濯槽クリーナーで例えると
「過炭酸ナトリウムで殺菌漂白カビ落とし」
「界面活性剤も混ぜれば他の汚れも良く落ちるだろう」
例えばこんな理屈で洗濯槽クリーナーを作ったとしましょう。残念ながらこの製品は期待通りには働きません。クリーナーをお湯に溶かすと、その途端に過炭酸ナトリウムと界面活性剤の間で無駄に反応が始まってしまいます。
その過炭酸ナトリウムは洗濯槽のカビや汚れに働きかけて欲しいのです。でも過炭酸ナトリウムにとってはカビも界面活性剤も同じ「有機物」。見分けなんて付きません。反応できる相手であれば片端から反応します。
結果、本来の目的である洗濯槽掃除をする力が減ってしまうのです。
と言うわけで、過炭酸ナトリウムの能力を充分に生かしたいなら過炭酸ナトリウム「100%」の製品を選ぶのが良いですよ。
但し、過炭酸ナトリウムの洗浄力を助ける物質という物も存在します。代表的なのがメタケイ酸ナトリウムで、そのような原料を過炭酸ナトリウム製品に配合することは意味があります。
過炭酸ナトリウム今昔
考えてみれば、昔は「過炭酸ナトリウム」という小売り商品は非常に少なかったと思います。(当店はかなり前から単体で取り扱っていましたが)一般の方が過炭酸ナトリウムという名前を目にするのは「酸素系漂白剤」の成分欄位なものだったのではないでしょうか。
そんな地味な存在だった過炭酸ナトリウムの認知度が一気に上がったのは2010年代前半。ブログや動画で「洗濯槽のカビがごっそり取れる! 過炭酸ナトリウム凄い!」と評判が立ったんですね。以後、当店でも出荷量が大幅に増えました。
過炭酸ナトリウムは洗浄効果が高く、使い途が多く、また環境にも負荷を与えにくい優れた洗浄剤です。正しい形で世に知られることはとても良いことだなあと思います。