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空を見上げながら思うこと

 気象の変化は、リスクであり、チャンスです。気温や降水量が、平年より外れることは、人々の生活やビジネスに悪影響を与えます。でも、変動に対処できれば、利得を得られるわけです。

 リスクを減らして、チャンスを増やすためには、気象情報を的確に知ることが求められます。気象衛星や分析技術の発達で、台風や豪雨の発生を予測する精度は上がりました。スマートフォンで、天気予報は手元で確かめられます。気温に合わせて、その日の服装を提案するアプリもありますよね。IoT機器やセンサーによって、異常の予兆をつかむ能力も上がりました。マンホールにセンサーを付けて、下水道の水位を5分ごとに集め、水位の急上昇を早期に知らせるサービスは一例。日本気象協会はドローン向けに高度150メートルまでの空間について、風向きや雨の予測ができるシステムを開発しました。高度別に250メートル四方に分けて、地形や建物による風向変化も含め、5分ごとにデータを更新するのです。

 家庭用の温湿度計は、現時点の温度と湿度を示しますが、24時間分の推移を1時間ごとの棒グラフで表示する新機種が登場。過去7日分のデータが見られるので、室内環境を上手に管理できます。冬のインフルエンザ対策、夏の熱中症予防に役立つとか。

 2015年に採択されたパリ協定では、世界の平均気温の上昇を産業革命以前に対して、2℃未満に抑える長期目標が設定されました。国連開発計画による持続可能な開発目標(SDGs)では、気候変動と災害に対する強靱性が重点分野の一つになっています。

 従来、環境対策は、規制によって進められました。でも、最近では、企業経営における環境戦略として、より主体的に取り組む方向に向かっています。環境配慮が企業評価の指標になってきたことも大きいのでしょう。

 博報堂生活総合研究所の生活定点調査によれば「日本の誇れること」として「美しい自然」が上昇し、「経済的繁栄」は低下。とくに20歳代は「美しい自然」が38.5%(1992年)から52.9%(2018年)に上がったのに対して、「経済的繁栄」は42・7%(同)から8.8%(同)にまで下がりました。大気の変化が織りなす季節の移り変わりは、日本の自然を生み出し、海外観光客も集めています。まあ、空模様でも眺めながら、ビジネスチャンスを見つけますか。

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