とおい山火事、ぼう然と見てるしかないの?
クマくんとうさぎのピョンちゃんは、満開の桜を見に行きました。でも、桜どころではないのです。とおくの山が燃えています。
クマくん「こうやって、みているだけでいいんだろうか。あっ、また炎が大きくなった」
ピョンちゃん「あの炎のしたには、やまのなかまたちがいる。どこかへにげられたのかな」
クマくん「じいちゃんがいってたっけ。とおいとおい山火事は消しにはいけない。ぼうぜんと、みているしかない」
ピョンちゃん「えっ、そんな」
クマくん「でも、じいちゃんは、こんなこともいってた。じぶんの山が燃えないようにすることはできる。とおい山からにげてきたなかまをたすけることはできる。火が消えたら、みんなで、もとにもどすことのおてつだいにもいけるって」
ピョンちゃん「たしかにそうだよ。でも、いま、こうやってたたずんでいるだけでいいのかしら。なにかしたいよ。どうすればいいの。ねえ、ねえ」
クマくん「めのまえのさくらたちは、なにをかんがえているのかな。あのとおい山のさくらたちをおもっているのかなあ」
ピョンちゃん「だからか、さくらのはながちりはじめたよ。はらはらと」
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