![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/50688727/rectangle_large_type_2_637916dd4bb6f9961ae4967e486f608c.jpg?width=1200)
花のある街に住んでいたい
わが家の近所を歩いていたら、ムスカリ(学名Muscari neglectum)が群生していた。ムスカリの花弁は大きく開かない。それぞれの花がバルーンスカートのように下の方が絞られていて…。
ムスカリに限らない。花のある街は、歩いていて楽しい。以前に住んでいたところは、花に出会うのは、フラワーショップやホテルのロビーだけだった。
こうして散歩道に花が咲いている。当たり前のようで、とてもありがたいこと。地域別のフラワー指数があって、街角で花が見られる確率とかが分かると良いのに。
樹木の場合は、街路樹マップというのがあって、花木を探すこともできる。最近は、ハナミズキ(学名Cornus florida)が増えているそうだ。
イチョウやプラタナスに比べて、落葉が少なくて、育ちすぎないのが良いという。管理がラクだという人間の都合だが、花がきれいなのも人気の理由かも知れない。
住めば都も遷都する。地に花。見上げても花。いい季節になってきた。歩いている私たちは、まだマスクをしているけれど、花のある街にいると心が和んでくる。
関沢英彦(文・イラスト)
発想コンサルタント。東京経済大学名誉教授。コピーライターをへて、生活系シンクタンクの立ち上げから所長へ。著書に『女と夜と死の広告学』(晃洋書房)『いまどきネットだけじゃ、隣と同じ!「調べる力」』(明日香出版社)『偶然ベタの若者たち』(亜紀書房)他。論文に「記号としての心臓 なぜ、血液のポンプが、愛の象徴になったのか」「映画に描かれた『料理』と『食事』の4類型」「月の絵本 無生物とのコミュニケーションを描いたナラティブ」(いずれも『コミュニケーション科学』)他。
東京カンテイマンションライブラリ 関沢コラムより