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34 白紙の運動場を走りながら考える

デスクの上に白紙を広げます。パソコンや資料に占領されて空きスペースが無いのなら、小さいものでもかまいません。A4サイズは欲しいけれど…。筆記用具は、ボールペンよりも、2B以上の濃くて軟らかい鉛筆が良いでしょう。紙の真ん中にいま考えているテーマを書きます。その文字を円で囲み込んだりしながら、連想された言葉、思いついたキーワード書いていく。
また、頭に浮かんだキーワードや絵を書いて、描いて、線で結ぶ。次にまた思いついたものを……と続けていく。中心のテーマからどんどん離れて、次の囲んだキーワードからまた線が延びて、そこからまた何本も線が出て…。と、思考が進むほど枝から枝葉が広がるように、絵や文字で白い紙は埋まっていくはず。
「なぜか、逆三角形の感じ」とか「円が3つあるのかな」とか、無意識が語りかけるままに腕を動かして、書き散らしていきます。
アイデアのグラウンドです。思考の過程がそこに表れます。そのうちに、紙の端と端で互いに「呼び合っている言葉」が見えてきて、ひとまとまりができて…なんてことも起こったりする。色鉛筆があればそのひとまとまりを同じ色で囲んで結んでいけば、ビジュアル的にもグッと捉えやすくなる。
その紙ペラは、小さくたたんで手帳に入れるとか、スマホで撮影しておいてもいいし。清書をするときは、そのメモを見ながら、作業を進めます。と、そこでまた新しい考えが頭に浮かんでくる。アイデアのグラウンドを走り回った分だけ、脳が活性化します。
とくに考えるべきことがあるのに、やる気が出ないとき、10分ほどこれをやっておくと、後がラク。頭で考えずに、濃い鉛筆に促されるままに、覚え書きを残しておくのです。
白紙の運動場で走り回る。頭の中で考えると思わないで、その白紙の上で、言葉やイメージが走り回っていると思う。「勝手に何かが動いている」のです。自分ではない「誰かさん」がやっている感じ。
自分がすべきことは、締め切りが近づいた頃、「冷静な目」で拾い上げること。「使えるアイデア」があるはず(たぶん)。メモをもとにパソコンで、概念図をきちっと書き直して、また、寝かしておく。すると、また、改善案が出るものです。 


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