平成が始まった頃は2m情報圏。いまの電車内は20cm情報圏
2010年頃、スマホが普及しだす以前は、オフィス帰りの電車で、夕刊を見ている人が何人もいました。2メートル先の向こう側の座席の新聞数紙の大見出しを見て、「あっ、大事件だ」と思ったことも。その事件のことを話している人もいて、電車の中で、世論が立ち上がっていく「瞬間」が見えました。空気が緊迫しているのを感じられたのです。
昔だったら新元号が大きく新聞号外の見出しになっているのを反対側の座席から見えたはず。
でも、いまは20センチ以内の手の中にあるスマホにニュースが載るだけ。みんなが、ニュースやツイッターのトレンドランキングを見ていたとしても(たぶんゲームとか違うことをしていますが)、世論の「湯気」のようなものは車内には満ちてきません。いっしょにリアルな空間を共有しているという感じは昔よりも低下しましたね。