風に乗ると、風を感じないんだ
クマくんとピョンちゃんは、「熱風船」で空を散歩中。もともと、ホットエア・バルーンなのだから、「熱気球」なんて格好をつけて訳さなくてもいいんだね。あれっ、クマピョン、意外にうまく空の人になっています。
クマくん「ふしぎなんだけど、かぜのおとがしない」
ピョンちゃん「かぜといっしょにうごいているんだから、かぜはかんじないんだ」
クマくん「そおか。バーナーをとめると、なにもおとがしないし」
ピョンちゃん「かぜにのると、かぜをかんじない。これって、おもしろいな」
クマくん「ピョンちゃん、そらでも、むずかしいことかんがえているね?」
ピョンちゃん「おもったんだけど。よのなかのながれに、うまくのっていると、じぶんがながされているとかんじない。そういうことかな」
クマくん「ほら、むずかしいこといってる。たしかに。ぎゃくに、じょうずにながれにのれないと、かぜが、ビュービュー、ぶつかってくるかんじがする」
ピョンちゃん「かぜとうごくと、かぜをかんじない。とても、しぜんなかんじもするし。かぜのなか、みみをとばされそうになりながら、はしるのもすき」
クマくん「それはいいとして、そろそろ、おうちのほうへかえろうか」
ピョンちゃん「で、クマくん、どっちにかえるのか、わかってる?」