ある日突然、縁が切れた話①
よく「過去は振り返らない。前だけを見る」という人がいるけど、今日はどうしても過去のことを振り返りたい。
自分にとって2021年は新たなご縁を紡いだ年だったが、その反動か2022年は多くのご縁が切れた年だった。
こんなにブチブチ縁が切れるんだろうか。なんでこんなに続くのだろう。
これはしっかり振り返り、今の気持ちを留めておかなくてはと思い、複数回にわたって過去を振り返りたいと思う。
ボランティアでの縁の切れ目
今から3年前。転職で縁も所縁もない場所に来て、時間を持て余していた時、ふと「ボランティアをしよう」と思い立った。
純粋に土日やることがなかったので、少しでも社会の役に立ちたいという模範解答のような理由もあったが、この地で新たなコミュニティに入りたいという気持ちが強かったかもしれない。
たまたま自分が住む地域の高齢者支援NPOが、ホームページの制作のボランティアを募集していたので応募して半年間ボランティアをすることになった。
そのNPOは自力で食事を作ることが出来ない高齢者へ、ボランティアが集い食事を作って届ける「配食サービス」を提供しているNPOだった。
「高齢者向け」との先入観から、味が薄いのでは・・・と思っていたが、地域のお母さんたちが楽しそうに1つ1つ丁寧に作るお弁当。
「普通」というと失礼だが、普通に美味しいお弁当で、ボランティアの度に1つもらえるお弁当が楽しみになっていた。
ホームページ制作から広報誌制作へ
半年ほどでホームページは完成し、NPOの代表も心から喜んでくれた。
自分も毎週のように事務所に通い、あーでもない、こーでもないと話し合いながら作り上げたので喜びは一塩だった。
そして、当初の目的だった「自分にとっての新たなコミュニティ」が出来て、自分の生活の一部になっていた。「このコミュニティを大切にしたい」そんな想いから、代表に何か他に困っていることがないか聞いてみると「何年も止まっている会報誌を作って欲しい」と言われ、その場で快諾した。
その会報誌は月に1回A4で4ページ程度の物だったが、配食サービスの利用者を中心に日々の出来事などを伝える目的で作成していたが、以前作成していたボランティアが転勤に伴い、かれこれ3年ほど作成が止まっていた。
自分もまたこのコミュニティに関わることが出来る、という想いから張り切っていた。
テンプレートを考えて、どんなコンテンツを載せるかを提案して、色合いとか文字の大きさとか何度も話し合って1つ1つ決めていった。
毎月月末の日曜日、13時に事務所に行ってあーだこーだ話をしながら広報誌を作り上げることが自分の新たな習慣になっていた。
ストレートに伝える
コロナが落ち着いてきたことに伴い、土日をまたぐ出張も増え、なかなか事務所に行けないことが増えてきた。そんな時は事前に原稿と写真データを送ってもらい、空いた時間で構成してメールで送って確認をしてもらっていた。
2022年10月も同様に事務所に行かず、オンラインで作成して確認してもらっていた。
だが、その時に限って修正が複数回続いた。正直なところ、とても細かくてそこを修正してもしなくても正直、誰も気にならないのでは?という修正が続いた。
メールが5往復目に入った時、私はしびれをきらして下記のメールを送った。
思い起こすと、自分なりには言葉を選んだつもりだったが、その時気持ちに余裕がなかったこともあり、初めてストレートに気持ちを伝えたと思う。
代表からのメールの返信はなかった。
広報誌は原稿が完成するとその場で印刷、そしてしばらくたってホームページに掲載される流れになっている。
修正を希望されて、その修正をしないまま先方からの返信がなくなり気になっていた。しばらくしてホームページをのぞいてみると、修正されていないままの広報誌が掲載されていた。
「NPO側で修正してもらえばいいじゃん」
そう思われる方もいるかもしれない。
自分もそうしてもらいたかった。だがこの広報誌はパワーポイントで作っていて、NPOのパソコンにはパワーポイントのソフトが入っていなかったのだ。なので物理的に自分以外広報誌を編集出来ない状況だった。
これが問題だったのかもしれない。
突然の終わり
いつも月末が近づくと訪問日程をLINEで相談していて、当たり前のように「11月は〇〇日どうでしょう?」とLINEを入れたが既読スルーが続いた。
早く日程を決めてしまいたいこともあったが、いつもならすぐ返信が入るのに既読スルーが続いていることが気になり、思い切って事務所に電話をしてみた。
すると代表が申し訳ない声で話し始めた
え???
寝耳に水とはまさにこのことだ。
まさか自分の知らぬところでそんなことになっていたとは・・・。
正直ショックだった。
もう2年近く毎月毎月作ってきたのだ。
それを自分の知らないところでもう来なくて良いとは・・・。
せめて一言相談してもらいたかった。
代表は続けた。
私は人間が出来ていないので
なんて言えなかった。
とわめきたい所だったが、そこはグッと我慢して
と言葉を絞り出すのがいっぱいいっぱいだった。
「新たなコミュニティが欲しい」と思いボランティアをはじめ、理想となるコミュニティが出来たのに、自らそのコミュニティを壊してしまった。
一通のメールでこんな結末になってしまうのか。
しばらく現実を受け止めることが出来なかったのだが、まだこれは序章にしか過ぎなかった。