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TRNはコストパフォーマンスのモンスター! KZと並ぶ中華新興イヤホンメーカーの雄の一つ。

TRNとは?

やっほやっほ!イヤホン買ってるかい?! (ゆっくりイヤホンレビューで有名なレビュアーさん、ふぐみかん氏への敬愛の意)
みなさんはTRN (てぃーあーるえぬ)をご存じだろうか? 小室哲哉プロデュースのTRFじゃないぞ!(オッサンしかわからないことを言う)
さっさとイヤホンの評価を見たいんだが!という人はMT1 MAXのところから読んでほしい!


TRNという会社の紹介

TRNブランドは中国広東省東莞市に存在する、Dongguan Zuodu Acoustics Technology Co., Ltd. が所有するブランドだ。2019年9月16日に設立されている。漢字表記なら「東莞左都音響技術有限公司」(ドングァン ズードー イェンシャン ジースー ヨウシェン ゴースー/どんがん さと おんきょうぎじゅつ ゆうげんこうじ)。ブランド名だったのか

Dongguan Zuodu Acoustics Technology Co., Ltd.はHi-Fiヘッドセット、スポーツ用Bluetoothイヤホン、TWS Bluetoothイヤホンなど、関連分野のハイテク企業。現在、自社ブランドの製品とODM、OEMを統合して展開中。TRNの製品は、最高のパフォーマンスと耐久性を実現するために、開発過程でイヤホン愛好家の意見を取り入れています。
TRNのイヤホンはそれぞれに独自の特徴がありますが、重低音を重視するリスナーのために、低周波数域を意図的に強化しています。これにより、ロック、ポップス、シンフォニー、大編成音楽など、幅広いジャンルに対応するバランスの取れたイヤホンとして、深みのあるサウンドを提供します。
現在の主力製品はTRN BAX Proです。製品は進化し続けていますが、最も重要なのはその音質です。プラグインケーブル方式は新しいコンセプトではありませんが、TRNイヤホンにはBluetoothアップグレードケーブル、銀メッキアップグレードケーブル、バランスケーブルなど、さまざまなオプションが用意されています。

出典:: https://trn-audio.com/

また、TRNさんに会社の歴史を教えてください、と言ったら丁寧なメッセージを頂きましたので翻訳して掲載します。

TRNの開発経緯について。 実はとてもシンプルです。

TRN株式会社は、东莞市佐度声学科技有限公司
2017年に設立された有限公司です。 会社のリーダー兼CEO は 蒋小明(ジャン・シャオミン/Jiang Xiaoming)
会社は中国広東省東莞市にあります。

TRNブランド設定の使命は「高品質のヘッドホン製品を最適な価格で提供する。」

会社の発展の始まりは、市場で人気のあるブランドのヘッドホンに基づいていた。(訳注:KZのことかな?) 他のヘッドホンの長所を模倣し、学ぶ。
それぞれの新しいイヤホンは、エンジニアによって慎重に設計され、調整されています。 (TRNのエンジニアは10年のチューニング経験がある)。

TRNイヤホンの発売と販売後、徐々に世界中の数多くのユーザーから認知され、賞賛されるようになりました。
同社のチームは長年の開発を通じて経験を蓄積してきました。
TRNには、独立したスタイルで新しいヘッドホンを設計・製造する能力と自信があります。

そのため、TRNは中国神話獣シリーズイヤホンと海洋シリーズイヤホンを開発しました。
すべてのヘッドフォンユーザーに感謝します。🙇‍♂️

出典:TRNさん(@TRNOfficialTRN1)とのメールやり取り

TRNは中国のイヤホンメーカーというか、ブランド名だった

そんな日本からすると謎の多いTRNは、中国の格安からやや高価格まで、交換用ケーブルやイヤーピース、BluetoothのイヤホンやBluetoothケーブルまで、豊富なラインナップのあるイヤホンブランドであり、コストパフォーマンスが高いイヤホンを出している。

KZより高音域が伸びる。低音も主張があるが、低音はタイトでキレがよくて、全体の音としては高音が特徴的であり高音域の印象が主体な音作り、というイヤホンが多い。

どれもこれも基本的には出荷時には本領を発揮していない音で、中には手にしてケーブルをつないで音を出しただけでは「何だこのひどい音は!」というイヤホンもあるから、エージングは必須だったりする。

エージングってなんだ? という人にこそ、むしろ触ってほしいと思っているので、エージングの仕方もご紹介。

今回は手持ちの低価格なTRNのイヤホンをレビューするとともに、TRNのイヤホンの歴史も語っていこうと思う。
まずは2024年現在で、1万円未満で購入できる、おすすめのTRNのイヤホンたちを紹介していこう!
どれもこれもいいイヤホンたちだ。

TRN製品との歩み

私がTRNのイヤホンを最初に掴んだのは、V30というイヤホンだった。その後V80を入手。ZS5のような2DD+2BAのドライバ構成でより小型で金属製のV80は私の性癖にハマる。
その後TRNはV90と言う機種を発売し、こちらも購入。これと同社のTRN T3という純銀で出来たケーブルとの組み合わせは、一度中華イヤホンをゴールするほどお気に入りの音だった。

このV90からTRNのイヤホンの品質は飛躍的に良くなった。

その後もVX、VX Pro、全部がバランスドアーマチュアドライバのBA5,BA8,BA15,BA16なども購入した。

2023年末〜2024年になってからの海洋シリーズ(ORCA=シャチ、Conch=巻貝)の発売は、特にConchが価格帯を焼き尽くすようなコストパフォーマンスで記憶に新しい。
さらに 2024年4月 にST7を発表。30ドルという低価格で2DD+5BAのイヤホンを発売し、マジか、と驚かれた。

2024年は、新生TRNが始まった感がある。
なお、記事でも紹介しているVX Proはお気に入りで今でも時々使っている。

TRNの所有製品(だいたい全部自腹)を全部書き出すと…V30,V80,V90,V90S,VX,VXPro,TA1,TA1MAX,MT1,MAX,MT4Pro,Orca,Conch,Azure Dragon,BA5,BA8,BA15,BA16,ST1,M10…なお太字がおすすめ品。

ケーブルはT2,T3,T4,T6,RedChain,BT20XS,BT3S。ケーブルは2本以上づつw

俺買いすぎだろう…

TRNはたまにやらかす(良い意味でも悪い意味でも)

TRNのイヤホンを買って、音が良いし安いし作りもいいしホントすごいね! ……とだけなればそれは最高だし、だいたいはそんな体験ができるのだが、実はTRNは時々やらかす。

価格破壊的な意味でもそうだが、V30は私が持っていたのはドライバがベコると音が小さくなっちゃう不良品だったり、V90Sの時は高音域のBAだけ逆位相!ロット全部!なんてこともあった…

傷がついてる!色違うのが来た!こんなのは中国からの通販では日常茶飯事に遭遇する。

TRNに限った話でもないが、中国製イヤホンは品質管理が日本のメーカーでは考えられないほどガバガバな事が多い。悲しいが、もうそう言うお国柄というしかない。

けれども返金や新品をもう一個送ってくれるみたいな対応の意味では、日本の企業より気前がよかったりもして、時間のある人にはラッキーである。

重要なのは自分で届いたものがきちんとしてるかチェックは怠らない。これに尽きるよ。

私がよく使うのはYouTubeで見つけられる「位相チェック」動画だったりするよ。これで逆位相だった時は新しい物にしてもらうとか、そういった防衛的な対応が必要になる点は、2024年になってもなかなか改善しない部分もある^^;


エージング(バーンイン)のやりかた

自分のやり方の中から一つ、簡単な方法を紹介。

  1. 音楽プレーヤーの音量を最大にする。音が割れない程度にする人もいるが、私は最大でOKだと思う。(大きすぎると壊れるよとか音が悪くなるよという人もいる、諸説あり)

  2. 大音量になるので、イヤホンは耳に装着しないように注意する。

  3. そのまま音源をループ再生で鳴らし続ける。

  4. 音がうるさいので、箱の中や、押し入れの中で布団の間に入れておくなどすると、うるさくなくていい。

  5. Youtubeで、バーンイン音源を検索して使うと、より速くエージングが終わる。

  6. エージングの仕方や方法論も人それぞれあるが、これが一番初歩的で簡単な方法。


1万円までで、いまおすすめできるTRNの機種たち

※ だいたい全部、自腹で購入してるよ!
※ 価格は2024年4月29日現在のものであることをご了承いただきたい!

TRN T ear Tips というイヤーピース (980円)

TRN T ear TIPS

TRNの製品を紹介する前にイヤピを紹介するよ。このTRN T ear tips という2023年ごろから製品に付属しだしたイヤーピース、これは単体販売もされている。
ややベタつきがある感じのエストラマー素材で、高音域をソリッドにして、全体を金属質、硬質、ヌケ感のある音色に変化させるイヤーチップで、大きな音の変化があるよ。
どんなイヤホンもTRNっぽさを醸し出す、面白いイヤピだ。
似たような素材感のイヤーピースより、高音域をデッドな音(響かない音)にしてしまう感じが少ないので、最近お気に入りになっている。
Mサイズがちょっとだけ小さいのでLLサイズも出るといいかもと思うイヤピだ。

TRN MT1 MAX (1580円)

まず紹介するのが最低価格ラインより一個上のMT1 MAX。これとちょっと違った傾向のST1 Proも新発売で存在するよ。(まだ聴いたことはない)

TRN MT1 MAX

箱出し時の音質の印象は最悪。高音域は刺さり、スカスカな中音域、ガサガサした高音。音量を上げるとすぐに耳障りに。しかし「バーンイン」というエージング処理を行ったところ、音質は劇的に改善。エージング後の音質はアマゾンでも1000円台で購入できる超低価格のイヤホンとは思えないほど良好。
3つのスイッチが付いており音質を自分好みに調整できる。特に低音増強モードは高音を抑える効果があり、より温かみのある音に変化。高音域がキツいと感じたらスイッチ調整を試してみる価値はあり。
スイッチはORCAと違いそれなりに変化は大きい。

付属品のTRN T ear TIPSのイヤーピースがMサイズしか付属ししない、ほかの材質のイヤピがなぜかSとLサイズのみ付属、付属のケーブルの音質が悪い、チューニングスイッチの使い方が公式サイトを見ないとわからない、などいくつかの問題点もある。

音質は、背面に大きな開放部があるため、開放的な音で閉塞感、密閉感が少なく、TRNとしては高音域のバランスに偏重しない音質で、音質的に一定のレベルを保っているため、コストパフォーマンスは非常に高い。

愛好家から見ても、リケーブル(ケーブル交換)すれば、日常的な使用には十分適している。

TRN ORCA (2250円) *おすすめ

TRN Orca

TRN ORCA(オルカ)はLCPという材質の振動膜のDDを搭載する低価格ながら全金属製の筐体を持つイヤホン。
エージングを長時間行うことによって、ねっとりとした色気にも似たような感じが得られつつ、すっきりした低音域を持っていて、繊細でありながらもふくよかな音色が心地よく、特にボーカル域の出力が得意で、男性ボーカル曲との相性が良い。ベース帯のノリも良く、ポップスなどでグルーヴ感が引き立つ。TRNの最近の低価格帯の機種の中でも、かなり性格が違っているイヤホンだ。

一方3つのスイッチによるバランス変更は、微妙にしか変わらない感じだ。
全体的にクセがなく、明瞭感があり、聴きやすい高音域とバランスの良い中低域を持っている。

特にボーカル曲を中心とした聴き方に向いているイヤホンだ。

こちらもリケーブルはしてあげるとより良いと思う。オススメはJIALAI JLY2あたりがよさげ。

TRN Conch (4450円) *一番おすすめ

TRN Conch

TRN Conchはこの記事の中でも、最初に手を出すなら、結局一番お勧めになるイヤホンだよー。

ダイアモンドライクカーボン振動版による、明瞭で透明感のあるサウンド、ソリッド気味に良く伸びる高音域、交換可能で音質の調整できるフィルター、ブリブリとした低音。

単体販売されているケーブルはプラグ交換に対応しており、将来的にバランス接続などを試してみたいという人でも、すでにバランス接続ができる環境の人でも満足。

缶ケース、イヤーピースは2種類で3サイズづつ、もちろんT ear TIPSも付属、とそれだけでも3000円以上しそうな豪華な付属品。

もちろん音も良い!ただ良いと言うだけじゃなくてこれは、高級オーディオっぽい良さ(語彙力💦)だね!

このイヤホンの価格は狂っている。
多くはもう語らない、黙って買って良し!
というイヤホンだ。

TRN TA1 (3,980円)

通常よく使われるDDだけではなく、プラスでBAというスピーカーのノウルズってとこの良い奴を搭載した、ハイブリッド型のイヤホン。
さわやかでサクサクした高音域で、BA由来の金属的なキラメキがありつつ、高音域が滑らかで、小気味の良い音を出す、2024年現在でも良い機種だ。
ただこの機種だけイヤホンケーブルの端子が、QDC (KZタイプC) ではなく、MMCX端子なことに注意が必要

TRN MT4 Pro (2950円)

MT4 Proは2つのDDを搭載するイヤホンで、実はこの中で一番バランスの取れた音というか、「ハーマンターゲットカーブ」という音バランス傾向に準拠している。

厚みのある自然なサウンドと、穏やかなサブベース、不快な刺激の少ないながらキラリとした高音域、とTRNっぽくないチューニングバランスかもしれない。

ハマる人はこのイヤホンがTRNで一番好き、という人もいる。おそらく、マッシブな低音や攻めた高音域は求めていないんだよ、という人に今一番お勧めできるかもしれない。でも、正直自分はこの機種ならOrcaのほうが良いんじゃないかと思う。MT4 Proのほうが音の分離感などはもっとある感じ。若干半端な立ち位置かもしれない。

Proが付かないMT4もあり、こっちはTRNっぽいチューニング。
詳しく書くと、MT4無印はベリリウムコートによる残響感と弾力のある低音が特徴で、リズミカルな曲や実際の楽器を使用した曲に適している。一方、MT4 Proは減衰が早く、スピーディーで引き締まった低音を提供し、アップテンポで音数の多い曲や電子音をメインにした曲に適している。

中音域では、MT4無印はベリリウムコートにより中低域が生々しく、MT4 Proは中高域が艶やかで暖かい。高音域では、MT4 Proが金属系コーティングによるキラキラした表現で優れているが、音量のバランスはMT4無印が優れている。MT4無印は高音が強すぎることがあり、MT4 Proは穏やかな主張で好みが分かれる。結局、どちらが優れているかはリスナーの好みによる。
最低数時間はエージングしなければ真価を発揮しないというのはこのイヤホンも同じだよ。

MT4無印はもうAliexpressでしか購入できないので、Aliexpressへのリンクを張っておくぞ。2024年4月29日現在では2619円で販売されているが為替の状況によって変動する。

TRN ST7 (4650円)

TRN ST7は2024年04月に新発売になった2DD+5BAのイヤホンだ。
これだけの数のドライバを搭載しながらも「30米ドル」という価格を実現しているのが特徴だ。
これも狂った価格であることは間違いない。
ST7については購入したのが届くのを待っている状態なので、あまり多くは言及しない。別に記事を書くと思うので、よければ楽しみに待っていてほしい!

5月9日追記:ST7のレビューは公開したよ!
ぜひ読んで見てほしい!

TRN VX Pro (8850円)

TRNの最近のイヤホンの中でも、高価格帯に位置するイヤホンになってしまった。10mmのCNT振動板ダイナミックドライバ(DD)と8つのバランスド・アーマチュア(BA)を搭載した、ハイブリッドイヤホン。

総合ではConch が一番お勧めできる、というのが現状の結論なのだけど、それでもVX Proは一段進んだ音質と表現力がある。

アリエクスプレスを使うのが嫌でなければ、アリならもう少しリーズナブルな価格で手に入ると思うので、検索してみるのも手だ。

繊細でシルキーなシンバル表現と、息遣いが強調されたエネルギッシュなボーカル表現が特徴。スムーズで洗練された感のあるサウンドだが、音像の一貫性がやや不統一なところ、音がドライで、艶やかさに欠ける点、少し暗い感じの中域(高音域が明瞭なので相対的に中音域が暗く感じる)、高音域は伸びのよさはあるが、強めな感じの高音域の表現で、好みがわかれるかも。

奥行き感があり、イイ感じにはずむスピード感のある低音と爽やかな高音、総じて爽快な聴き心地があって、2024年現在でもお勧めできる製品。

DDとBAというのは全く音を出すメカニズムが違う部品なので、音の傾向も違う。ハイブリッド型、とか呼ばれているが、それを組み合わせてできた音は独特の魅力がある。
一度手に取ってみて損はないかな、と思うイヤホンだよ。

もっと高価格帯のTRNのイヤホンたち

1万円を超える価格のTRNのイヤホンにも、16個のBAユニットを搭載した2万円以上の「TRN BA16」フラッグシップの「TRN BAX Pro」 など、魅力的な機種が存在する!
TRNのイヤホンの音傾向が好きになったら、調べてみてもいいだろうと思う!

またBluetoothを使ったワイヤレス化が可能なケーブルなどもあるので、お気に入りのイヤホンを無線化することも出来る。端子の形さえ合えば別のメーカーのものでも使えるし、TRNの無線ユニットは、端子に対応するためにケーブル部分を交換できる機構があったりする。

TRNのケーブルもリーズナブルな価格で費用対効果が高く、私も何度も買った。今はJIALAIやNICEHCK,ivipq-zisin-XINHSばかりだが。
 

ケーブル交換はこの記事では触れなかったが、相応に音が変わったりよくなったり、所有感が満たされる効果はあるので、オススメしたい。オススメはT6なのだが、もはや最近はケーブル端子を交換出来る物が主流になっていて、T6はT6Proになっている。
気になった人は探してみてもいいだろうと思う!
無理にとは言わないが、ケーブルを交換するとどう変わり、なにがよくなるのか、それを知る過程を楽しめるのも、中華オーディオの醍醐味だったりするよ!

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西野績葉
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