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intime 碧NEO レビュー 〜 高音質を引っ提げて2024年08月に発売された、intime 碧シリーズの最新モデルNEOはVST-S搭載
intime (アンティーム)『碧』(SORA)というイヤホン
2017年、秋葉原にあるイヤホンを専門とするショップがあった。eイヤホン。そのeイヤホンで低価格帯で「音が良い」と評判になり、感度の高いイヤホンに興味を持っていた人たちが購入しだしたイヤホンが「intime (アンティーム)の碧(SORA)というイヤホンだ。
当時のeイヤホンのECサイトにはランキングもあった記憶があるのだが、筆者の間違いかもしれない。
そのランキングで1位になっていた時期、私は碧が気になっていた。
碧は、フル真鍮筐体を採用し、1DD+1VST(独自技術のピエゾドライバ)搭載のデュアルドライバでハイブリッドドライバ構成のイヤホンだ。
真鍮筐体のためか重たくなったり、耳からの湿気で結露が発生したりといったことが起きたイヤホンでもある。筆者はその音質の高さ、特に高音域の澄んで高いところまでのびてゆく感じの虜になったのだが、初見ではその重さが気になり購入には至らなかったイヤホンでもある。
2018年8月28日、碧 Light が発売される
独自開発の積層型セラミックツイータVSTの周波数特性をわずかに可聴域側に寄せることでより低価格にもかかわらず解像度の高い自然な音を感じるようになりました。 ツイータの価格はその振動エネルギーの大きさに依存します。VST2ではセラミックエンジンを2枚使い、スーパーツイーターの最高峰を目指しました。今回、intime碧-Lightではエントリーモデル用に振動エネルギーを低減させつつ、再生周波数帯域を可聴域側にシフトさせたエントリー型のVSTを開発しました(表1参照)。 その結果、特に高域におけるユーザーの聴感感度が向上し解像度の高い音を実現することが出来ました。勿論スーパーツイーターとして可聴域外での感度の良さは「碧」に勝るとも劣りません。見通しの良さはこの価格帯では群を抜いています。
碧Lightはその軽量化に感動し、筆者も発売日に予約購入で購入したほど。
その後ケーブルを改良しイヤピサイズなども増加した2019Editionも出ている。
碧(SORA) NEO
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intimeファンからは既に高い評価を得ている碧シリーズだが、その2024年の最新作が碧 NEOだ。碧 NEOにはType-C版と3.5mm版があり、筆者のレビューは3.5mm版である。後述するVST-Sは3.5mmのみと公式に記載があるため、VST-Sを体験したかったのだ。
まず結論だけいってしまうと、NEOは既存モデルのファンを裏切らない進化を遂げた、完成度の高いイヤホンだと思う。
筆者自身、この2017年の頃から2024年現在まで、どっぷりとイヤホン沼にはまるきっかけになったのも、そもそもはこの碧シリーズを手に取ったことがきっかけだった。その後低中価格帯の中国製イヤホン沼、中華イヤホン沼にハマったことは、別のお話で……需要があれば。
そうやってイヤホンを試してきた私が自信をもって「大好きな音です」と言えるのが碧 NEO。
今まで触ってきた中でも、間違いなくその中でもトップクラス使い心地、分離感や解像感、詳細度などの音質バランスの適切さを感じています。
intime 碧 NEO 音質傾向 繊細さと力強さの調和
碧NEOの最大の特徴は、ピエゾドライバーによる高音域の表現力。ピアノの倍音やシンバルの輝きが美しく再現され、まるでそこにあるかのような自然な実在感、臨場感に包まれた。高音はクリアで繊細ながらも、刺さるような感覚は少なく、なめらかで心地よい伸びやかさを感じた。
中音域はボーカルの表現力が豊かで、感情移入しやすいサウンドと思う。
楽器の音色も自然で、各パートがクリアに聞き分けられた。低音域はタイトで力強く、楽曲に深みを与えます。特に、バスドラムのキックやベースラインは、力強く、それでいて強すぎず、締まりをもって心地よい重低音が楽しめる。
音場は広く、楽器の定位も正確で自然。オーケストラ楽曲など、大編成の音楽でも、各楽器の音をクリアに聞き分けることができた。
「intime碧NEO」は、シンセサイザーやサンプラーなどエレクトロミュージックの要素に対応出来る速度感と解像度、さらにはボーカルの生々しさを表現出来る倍音の響きをターゲットとした商品へと変化を遂げています。
https://intime-acoustic.jp/?pid=182020664
エレクトロやビアノの倍音の心地良さについて、まさにその通りのイヤホンといえます。
VST-Sの採用 (3.5mm版のみ)
セラミックツイータには低ヒステリシス特性を有し直線性に優れたPZT系圧電セラミック材料を開発し採用しました。
また、前述の3.5mmモデルとType-Cモデルではそれぞれ必要となる高音域再生特性が異なるため、ツイータも各々に最適なデバイスを採用しております。
3.5mmモデルには新開発のツイータVST-Sを採用しました。VST-Sでは歪みを低減するためにヒステリシス特性を最大限に抑制した低ヒステリシス材料を開発し、そのセラミック内部の構造も見直しました。
そしてダイナミックドライバが醸し出す奥深い中低音域とセラミックツイータが奏でる高解像度な中高音域、それぞれの音の流れに注目し製品の構造面から最適化を行いました。
その結果、ダイナミックドライバの持つ特性を最大限活かしつつ、セラミックツイータの豊富な倍音成分を融合した音響特性を実現いたしました。
ボーカリストの気迫さえ感じることの出来るリアルな表現力と粒立ちの良くかつ聴き疲れのしない高音域の伸びは、長時間のベストリスニングをサポートしてくれます。
https://intime-acoustic.jp/?pid=182020664
碧Lightに採用されていたVSTの改良版、この新規開発のVST-Sによって、より進化した滑らかで自然な高音域を、この6000円程度の価格帯で実現できたと考えられる。
VST については公式サイトの技術アドバンテージを参照されたい。
デザインと装着感:洗練された美しさ、快適なフィット感
ステンレスと樹脂を組み合わせた筐体は、高級感があり、手に取った時の満足感が高い。イヤホン本体はコンパクトで、耳に自然にフィット。長時間装着していても疲れにくく、快適なリスニング体験を提供してくれた。
総合評価:完成度の高いイヤホン
碧NEOは、音質、デザイン、装着感、全てにおいて高いレベルを誇るイヤホンだ。特に、高音域の表現力の高さは特筆で、Edm、テクノ、メロデックな日本の現代曲、アニソンなど、スピード感を重用する複雑な展開をしていく曲も気持ちいいし、クラシックやジャズなどの繊細な音源との相性も抜群だった。
生音はピエゾツイーターの影響で、ややブライトに感じることもあるが、出力に余裕のあるDAPで駆動するとまた印象がよくなるポテンシャルがある。
音量を何処までもあげたくなるなほど高音量でも滑らかなので、ついボリュームをあげたくなるが、音量上げすぎで耳をわるくしないようには注意しよう。
碧シリーズとの比較
碧NEO: VST-S搭載による、より繊細な高音域のもたらすサウンドを求めるユーザーにおすすめ。
碧2: より力強い低音と中音域、ステンレス筐体にのる響き特徴で、EDM、エレクトロ、私の好むアートコアロックやポップスなどのジャンルとの相性が良い。
碧Light: リーズナブルな価格で、まずバランスの取れた高音質サウンドを楽しみたい方におすすめ
誰におすすめ?
高音質を求める方
バランスの取れたサウンドを求める方
クラシックやジャズなどのジャンルもエレクトロや現代曲も好む方
普段使いから本格的なリスニングまで、幅広く楽しめるイヤホンを探している方
碧NEOは、あなたの音楽体験を豊かに彩る、上質な一台。
補足
碧NEOは、エージングによって音が馴染み、より良いサウンドになることがある。
静かな場所で、高音質な音源を再生することで、碧NEOのポテンシャルを最大限に引き出すことができる。
普段よりサイズの小さいイヤーピースを実験してみる価値あり。耳の比較的奥で保持してみることができると、高音域の共鳴ポイントが変わり、耳障りな音だったものが、快適に変わることがある。
このレビューが、碧NEOの購入を検討されている方の参考になれば幸いです。
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