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Sivga Que 鵲(かささぎ) イヤホンレビュー。温もりと繊細さと力強さが調和した木製FPの亜鉛合金筐体の1DDのIEM #自腹

SIVGA Que レビュー

Sivga Que 鵲(クエ)(中国語的発音だとチョエだそう)は、木製フェイスプレートと亜鉛合金を組み合わせた重厚なデザインと、独自の「暖色的ニュートラルサウンド」が特徴的な製品で、ドライバ構成はベリリウムコートの1DDを採用するIEM(イヤホン)です。
1万円程度(2025年1月30日参考価格12980円)の価格帯で高い完成度を誇り、ボーカルや生楽器の表現に優れる一方、チューニングの柔軟性や付属品の充実度も注目ポイントです。


Sivga Que パッケージ
Sivga Que パッケージ裏面
Sivga Que 付属物一式

質感に優れたハードケースが付属し、質のいいケーブルがストックでついてくるなど、イヤーピース以外の部分は手を入れる必要がない点も評価できます。

質感のよく実用的なハードケースが付属

SIVGA Que デザイン&付属品

  • ボディ:木製フェイスプレートと亜鉛合金の組み合わせで高級感があり、重量感はあるものの手に馴染む作り。

  • 付属品:満足感の高いOFCケーブルとハードケースが同梱。イヤーピースは2種類が3サイズづつ複数付属し黒のMは重複して付属。密着性と音質調整の幅を提供します。交換も推奨。

SIVGA Que サウンド特性

■ 低音
量感は適正で響きがやや柔らかく、アタックは控えめ。ベースラインの暖かみを残しつつもボヤつかず、ロックやジャズの生演奏で真価を発揮。ただし、電子音楽では「カリッとした衝撃」を求める人には物足りなさを感じる可能性も。

■ 中音
ボーカルやコーラスが滑らかに表現され、エフェクト加工された歌声も刺激なく聴きやすい。300Hz付近の中低域がやや強調されるため、ポップスやソウル音楽との相性が良好。ただし、中音域の一部が凹む傾向があり、イヤーピースの選択が重要です。

■ 高音
伸びやかで鈍さはないものの、鋭さやキラめきは控えめ。高音域の詳細情報量は十分ながら、標準イヤーピースでは柔らかい印象に包まれます。AET07互換イヤーピースやKBEAR07に交換すると、高音の明瞭度が向上し、電子音楽にも適応可能。

■ 音場・解像度
横方向の広がりは控えめながら、立体的な空間感を形成。木製素材の響きが「生音らしい温もり」を演出し、クラシックやアコースティック楽曲で臨場感を発揮。解像度や詳細感は輪郭がやや甘いものの、疲れにくいバランスに調整されています。

SIVGA Que イヤーピースの影響

  • 標準黒軸:中音寄りで暖かみが強調され、ボーカル主体の楽曲に最適。

  • AET07/KBEAR07:高音の伸びとニュートラルさが増し、電子音楽やテクノにも対応可能。

  • TRI Clarion:低音の量感を抑えつつ、バランスの取れた聴感に。
    ※イヤーピースの交換で音質が大きく変化するため、好みに応じたカスタマイズが推奨されます。

SIVGA Que 比較した別のモデルとの違い

  • TRI x HBB KAI:KAIは低音のカッチリ感と輪郭の明確さが特徴。Queはより柔らかく包み込むようなサウンド。

  • NICEHCK F1 Pro:金属的な硬質感とパッキリした解像度が売り。Queは「しっとり系」好みのユーザー向け。

SIVGA Que をお勧めできる人

  • おすすめ:ボーカル・ポップス・アコースティック音楽を好む人/長時間聴いても疲れないサウンドを求める人/イヤーピースやケーブルでのチューニングを楽しむ人。

  • 要注意:低音のアタックやカリカリした解像度を求める人/電子音楽やメタルなど刺激的なジャンルを主に聴く人。

SIVGA Que 総評

Sivga Queは、「優しさと繊細さと力強さ」を両立した稀有なIEMです。初聴きの印象は、まるで木製楽器の残響に包まれるような温もり。ボーカルが前面に浮かび上がり、エッジの立ったエフェクト加工された声も、角が削がれたように滑らかに聴こえます。例えば、ロックバンドの生ドラムやアコースティックギターのピッキングでは、低音のアタックが柔らかく潰れることなく、素材の質感まで再現する一方、EDMのシンセベースは「ふわっと広がる霧」のような独特の広がりに。
「耳に優しいが、決して曇らない解像度」が強みです。

さらに、リケーブル時の変化の大きさは注目ポイントです。純正OFCケーブルでも十分なバランスを保ちますが、NICEHCK SnowWing OFC版に換装すると、高音のキラめきが増し、低音の輪郭がシャープに。例えば、ハードテックやドラムンベースのような高速楽曲では、サウンドの切れ味が向上し、金メッキによる余韻感の拡張や、音場の立体感も強調されます。
一方、銅銀ケーブルでは中高音の透明度がさらに際立ち、ジャズのシンバルやクラシックの弦楽器のニュアンスがくっきり。
「ケーブル交換で柔軟に性格を変えられる」点は、マニアックなユーザーにもうれしい仕様です。

木の温もりを感じさせるサウンドは、聴く者をリラックスさせながらも、高音域の情報量や付属品の質でコストパフォーマンスをアピール。イヤーピースやケーブルの変更で幅広い音楽に対応できる柔軟性も魅力です。ただし、その特性は「暖色サウンド」に共感できるかどうかが鍵。しっかりした音質ながら穏やかな音に身を委ねたい人にとって、この価格帯で他にない味わいを提供する一品です。

価格帯での強み:デザイン・付属品・独自のサウンドカラー・付属物のクオリティと質感
向き不向きの分かれ目:音の「柔らかさ」への好み。中音域の一部での張り出し感。

SIVGA Queのお買い求め

amazon.co.jp にて12980円で販売されております。

海外からの直輸入もふさがれていません。

国内では01 Divers さんが総代理店として扱っておりますので、ヨドバシカメラ、eイヤホンなどでも試聴が可能となっています。



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西野績葉
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