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山手線の内側でG10%の一棟RCレジを購入したお話:令和3年。

『山手線の内側』…いい響きですよね!

「東京の不動産が上がっている!」とは言っても、自分の保有物件が八王子だったり、羽村市や青梅市だったりすると、おお腕をふるって「自分の物件の資産価値が上がってるっ!」って言いづらかったり…
するかもしれませんが、

今回は東京都全体のわずか3%と言われる「山手線の内側」で一棟マンションを取得することが出来ました!


どこまで厳しく見るかにもよりますが、

「都心に不動産を持った」

と、表現しても過言ではない…のではないのでしょうか。


(いや、まぁ<都心3区>とかと比べられると端っこはアレなんですけれども、「ヒトと比較すると幸せになれない」っていうので、それはそれで。)


今回購入したアセットについて


私の今までのスタンスは

・物件買うなら路線価未満
地べたは裏切らない!
・建物は土地のオプション

等々、[不動産は土地評価が9割]というものでありました。

建物は物理的に老朽化するし、一般的な査定においても年率数%でガンガン割り引いて見るし、オフィシャルに公開されている「相続税路線価」ほど簡便な指標はない…と。

今でも土地評価が投資用一棟不動産を吟味・選別するにあたって、絶対的かつ分かりやすい指標として、私の軸になっていることは紛れもない事実です。


しかしながら…です。

この度、今までの不動産投資遍歴において初めてとなる

<土地の無いタイプ>の収益不動産に

手を出してしまいました。


今まで信じてついてきてくれた不動産クラスタ、特に積算マニアの方々がいらっしゃいましたらどうとでも蔑んで頂いて構いません。
特に誰かをキラキラコンサルしたわけではないけれども…

正直、全然買えないから「買いたい病」が炸裂した部分もなきにしもあらず。


さてそれでは、ここから綴ってまいります。

※流石に物件の特定までされちゃうのはちょっとアレなので、若干濁すけどかなりあっぴろげです(どこの駅かは後述)。
※リーシングやもしもの売却時に「この物件かな?」って気が付きそうになってもそっと心の奥にしまって下さい。


立地はタイトルにある通り。

最寄駅:JR山手線(北側)の駅

徒歩約3-5分 一応内側。

建物は、延べだと400平米くらい、

平成前半の一棟RC。


土地は…ありません。



いえ、実際としては「130平米(40坪弱)」

【借地権】です。


満室想定の年間賃料共益費等で約1080万円

購入価格は1億800万円です。

ええ、分かりやすいですね。

グロスで10%。

俗に業者がいうところの「グロテン」です。



15年以上(収益不動産だけだと10年位)、この不動産業界に身を置く自分としては、

「あん?借地権?そんなの出口がグロテンだろ?」
仕入れは12%とか欲しいよネ!」

みたいな感じに思う部分が少なからずあるものの、ここ近年の相場感としては、23区内のまともな物件でそんなことを言ってたら買えない…どころかハブられて情報が来なくなるレベルです(言うときもあるけど)。


修繕費やらのバッファを考慮して13%!って叫びたくなるのを我慢しつつ、物件を落ち着いてみていきます。

立地としては都内・山手線の駅から徒歩3−5分。
土地は「借地権」とはいえ、6m公道角地。
すぐ近くに公園とかもあって、雰囲気は良い。
建ぺい率・容積率も収まっている。
建物は平成前半なももの、見える範囲は
タイル貼りになっていて、状態は良さそう。
オーナールーム的なお部屋を含んで全10戸。


今どきのマーケットであれば、所有権だったら5%…だとヤリ過ぎかもだけど、6%-7%前後、借地権でも8-9%での着地はあり得るかもしれない。


でも…今までバランスシート(BS)の評価が(ブチ)抜けるように物件を買ってきたのに、自分の指針とする「土地評価そのものが(ある意味)無いものを取得するのは、いかがなものであろうか…。」


そんなふうに悶々とする部分が残ります。


最終的な「不動産投資のゴール」をどこに設定するかは人によりけりですが、自分がどうイメージしているかというと(あくまで現時点ですが)

最終的には

東京23区内のイイところに、
・当面戦い続けられそうな一棟RCを複数とか集約して、
頑張らなくても賃貸が容易にマワル物件で、
・おいおいの生活の原資にしたり、
妻子に引き継いでいったりしたいなぁ

そんな気持ちはあるんですよね。


さらに言えば

・保有物件の中に家族で住んで、
・1階にオサレカフェなテナントを入れて、
・物件の日常清掃も自分でやって、テナント・入居者にご挨拶する…

都心でもほら、各階のテナント一覧の一番上階に個人名がバン!と貼ってあるようなビルもあったりするじゃないですか。

「アレがイイ!この現代社会における最良の形だ!」という訳ではないですが、ああいう仕上がり方にちょっと憧れる部分もあったりします。


そういった現時点における着地をイメージしたときに…

んー借地権だし、売りやすい物件ではないよなぁ。
でも23区内だし、駅チカだし、オーナールームも付いてるし…。

「あれ?そもそも売らなくてもいいんじゃね?」

そんな考えに至ります。


個人的(妻法人含む)な投資用の一棟レジデンスについては、過去5棟を売却済みですが、それらは基本的に一等地ではない築古物件

構造的には木・鉄骨・鉄筋コンクリート造と、一通りありました。されども、そのアセットが20年後30年後にも収入を変わらず稼ぎ出してくれるのか、というと、メンテナンスだけでは立ち行かない部分も容易に想像されます。

ハード面はお金をかければ良いかもしれませんが、こと賃貸需要については、(コロナでどうこうあっても)「東京」が強いのはいうまでもがな。

あと5年-10年は戦えそう…だけど売れるときに売ったほうがいいかなっ!っていう売却です。

(※都内に限らず、埼玉・千葉・神奈川の土地値(路線価)築古木造アパートはいまだに大好物です。)

そういった売却益を、いつの日にか「都心のフルローンとかで買おうとすると収支バランスが合わないピカピカな物件」に、ガツンと注ぎ込んでガッチリ資産を固めるっていうのをイメージしていたのですが…。


この案件近いかも、と。(土地無いけど。)


そして、購入に向けて、真剣に考えていくことに。


今回(個人的に)決め手となったのは、
立地等のスペック面が及第点であったのはもちろんとして、
【借地権の内容】【融資内容】です。


【借地件の内容】

本業ではもちろん借地権の一棟売買に携わったことはあるので、流れや注意点はおおまかに把握しています。

借地の場合の注意点としては、次の部分。

・毎月、月額の地代が掛かる
・売買時(基本は売主負担)に譲渡承諾料が掛かる
・更新時に更新料が掛かる
・融資を組むに際して、
 地主の念書地主の印鑑証明書が求められるケースが多い。

借地権ですから、当然に毎月の地代が掛かります。

反面、あくまで自分の土地ではないので、所有権だと負担が発生する固定資産税・都市計画税は地主さんの負担。(建物は所有権だから自分の負担有り。)

この地代が固都税より相当高いパターンが少なくないのが、一般的な借地権のツライところ。

だからこそ表面利回りがちょっと高く(価格としては割安感が有るように)売りに出されることが多く、結局運営費(含む地代)を差し引いて、ネット(NOI)を見てみると、「アレ?手残り美味しくないじゃん」というのがよくあるところ。


これが…

今回は意外とリーズナブルでした。


近隣商業地域 建ぺい率80%・容積率300%にも関わらず、

毎月の地代が約2.7万円

「坪あたり」じゃないですよ。

「全体で」です。


土地が所有権であれば、当然に固定資産税・都市計画税がかかってきますから、この地代設定ならそれとほとんど変わらないか、ちょい乗せ位なのでは無いでしょうか。

譲渡承諾料は、ざっくり600万円位のイメージですが、それこそ売却しない限りは負担の発生は無し。

更新料も同額ですが、旧法借地権の堅固建物、3年前に更新したものを引き継ぐ形なので、27年後まではとりあえずそのままです。

(そりゃ貯めてはおきますけど、令和3年時点で令和30年のことをアレコレ考える必要は無いのかなと。)

そして、融資に際して過去何度も見てきた一番のハードルとなるのが、
地主の印鑑証明書取得」です。


これは、念書の取得とセットの話なのですが、
金融機関に求められる念書を要約すると、

・金融機関は借地上の建物に抵当権設定する
・土地所有権を移転するときとか知らせろヨ
・抵当権実行時、建物所有権が他の人に移ったときに、
 土地の借地権も新所有者に譲渡させて

こんな感じで、物件を買う人からみたら当然な内容にも思えるものの、
地主様から見たら、

「自分がその金融機関からお金を借りている訳でもないのに、なんで変動があったときに知らせなきゃならないんだよ」

とか、

万一の抵当権実行⇒競売になったときとかも

「そんな、誰とも分からないヒトに俺の土地を貸せるか!」

こういった部分に苛立ちや不安を感じたりで捺印が頂けなかったり、書面への捺印はしてあげるけど、「印鑑証明書だけは絶対に出さない」なんていうパターンは数しれず…。


それが、今回の概要書についてきた補足資料には、

※融資利用の際の地主(お寺)の印鑑証明提出
【協力可能】

という優しすぎるReadme付。

これは進むっきゃない。


【融資について】

あと決め手になったのは融資。

昨年末頃からぐいぐい力技で開拓した某信用金庫様。

(4号認定取得からの区のコロナ融資と、既存物件の借換実行済み)


今年の前半にその信金の営業エリアに近いところにあった「借地権戸建」で気になるものがあったので、融資のヒアリングをしてありました。

その時は

・ここの商店街は昔うちの支店もあったので、
 印鑑証明書なくても融資行けます。
融資期間が借地期間って言われるかなー
自己資金2割くらいイケマス?

ざっくりそんなやりとりまで行っていたものの、物件が持っていかれてしまったので、フェードアウト。

そして、同じ地域に住んでいる上席に、この信金担当者さんを紹介していたところ…。

その信用金庫の融資を活用して、つい最近目黒区で購入したのが、「借地権S造一棟レジ」。


今回も同様に融資が追いついてきたのです。


概略資料を最初に金融機関担当者に送った際にも

担当)「お!RCですね。駅も近いしやり易いです。」
関田)「期間どうですかね?」
担当)「借地の残存期間行けそうな気がします!」
関田)「え!?27年?それやってほしい。」
担当)「さっそく上げてみます。」

期待値があがるレスポンス。


まぁ実際は承認前に

担当)「やはり期間を言われてしまいまして…」

と、築年数のところから、
20年になったものの、許容範囲。


結果、融資は下記の通り。

・融資金額:8600万円 (売買価格の8割)
・金利:1.975%
・期間20年

(ざっくりCFは後述します。)


【購入経緯】

そもそもの今回の「購入経緯」ですが、6月の下旬頃、
雨の日だったか、上席の車に便乗して帰途につく中、

上席)
「○○さん(同僚)が持ってきた山手線RC、
 ちょっと会社で買うには微妙なんだよね」
関田)
「あ、借地権のやつでしたっけ?」
上席)
「そう、あれ関田さんなら融資組めるんじゃない?
関田)
「あ!こないだ上席さんも組まれてた○○信用金庫で?」
上席)
「そうそう。」
関田)
「おー、ありかもですねー、でも借地かーーー
上席)
「資料もらって見てみたら?」
関田)(即同僚にLINE)
「(自分も検討してみたいので、明日資料くださーい!)」

そして7月初旬に売買契約締結、
7月末頃に決済・引き渡しという流れです。


そう、なんで買うことが出来たか?って聞かれたら、
今回は「業者(勤務)だからダヨ!」っていうのが大きな要因である事は間違いありません。


繰り返しになっちゃうけど、やはり、土地がない物件を購入したことについては、色々考える部分はあるんです。

買えるものから始めるしかないとして、徐々に立地の良い場所、長く持てるもの(築浅RCとか)にシフトしていって、生きていくための土壌を固めたい。

されども、次の物件をさらに「買い増す」に際して、金融機関から見たときに「土地がない物件に対して多額の借入=負債のみ過大に見られてバランスシート毀損」から、物件が買えなくなるんじゃないか…という懸念もあったりして。
でも、現金もまだあるし、トータルではGoの判断をしたんですけど。


そんなわけで、

「オレ、山手線の内側に一棟RCレジ持ってるぜ」

って言えるようになりました。(土地ないけど。)

尚、評価証明書の建物評価額「約1500万円」です。

低っ!

「区分かよっ」ていう評価額ですね。


さて、ここから先は
「で、取得にいくら掛かって、実際手残りどんな感じなのよ?」っていうところを顕(あらわ)にしていきます。
そして、結局ドコの駅で買えたのかというと…。


はい、ここから先はちょっと詳(つまび)らかすぎて私の過大な妄想も入ってきますので、例によって0歳児&5歳児の男児2人の育成にサポート頂けた方に公開させて頂きます。

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