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人口減少していく日本での不動産周りで思うこと。

Twitterで永江一石さんのブログエントリー↓が流れてきて、不動産クラスタの方々も湧いていたので、ちょっと思うところをnoteに。

「あと15年で日本から九州と四国足したくらいの人が消える…」

中々に衝撃的。


で、そこから想像しやすいのが
↓↓↓

少子化・人口減少
↓↓↓
物件(土地・建物・区分マンション)全般が余る
危ない空家も増える
↓↓↓
賃貸:空室が埋まらない
売買:売れない・下落する

うん、分かる。言いたいことは分かる。
「人が減るんだから今までのストック余るじゃん」っていうロジック。

それに対抗しての、「移民くるからそうでもなくね?」っていう人。
うん、それも分かる。


ただ、もうちょっと目を
向けてもらいたいのは次のこと。
↓↓↓


総人口は言うまでもなく赤ちゃんから超高齢者まで。誰でも生きている限りは食べて・飲んで・住んで・着て…と、「消費」する。要はサービスの「需要者」です。


生産年齢人口は15歳から65歳未満の人達。
15歳で働いている人がどれくらいいるか…はアレとして、定義はコレ。要するに働く事ができて「生産」できる。サービスの「供給者」の側面。


両方とも、減ってはいくんですが…。

↓の内閣府の将来推計を見てみると

人口動態いいいいいいいいいいいいいいい

この赤いバーのところ。

下のピンクと青のいわゆる高齢者がジリジリ増えていくのに対して、緑色に挟まれた赤いバー:現役生産年齢人口世代が圧縮されていくの…
分かります?


総人口(需要)の減少スピード以上に、
生産年齢人口(供給)の減少スピードが早いんです。


総人口の減少よりも
生産年齢人口の減少が早い


経済学にそこまで明るくない方でも、不動産・不動産投資に興味があるレベルの人であれば想像がつくかと思いますが、

【需要が多くて】【供給が少ない】
この結果としては本来【価格】が上がります。

(銀座の中央通りが欲しい人多くて、
 坪数億するのがイイ例です)


ここで言う【価格】は、労働・サービスを供給する対価ですから、平たく言えば「人件費」


ココ数年「人材不足」。
新卒採用とかも売手市場で、企業側は採用難。

特に新卒採用シーズンになるとニュースでもネタになりますが、「儲かる仕事が一杯あって、人が足りない」、そんな雰囲気があるのに、あんまり景気が良くなっていない気がしませんか?

不動産業界と近しい建設業界からは数年前から「資材の高騰・人件費の高騰がヤバい」という話をよく耳にしますが、オリンピックで人が足りないから…だけではありません。

単純に「働き手が減っている」という事実があります。


職人が減る。

不動産、特に「不動産投資」周りで見れば、リノベ・修繕をできる職人さん達そのものが減少していくので、優良な…というかまともに賃貸住宅として提供できる物件そのものが減る可能性もあるのかな…という部分は見落とさないほうが良いかもしれません。


在庫が増える?

既存の中古住宅もあるのに、新築の分譲マンション・建売住宅がバンバン作られていく…絶対的に数が余る、というのは分かります。

とはいえ、デベロッパーもパワービルダーも「売れるから作る」のであって、あからさまに売れなくなれば、そりゃ在庫をいたずらに積み上げることはしないでしょう。

「デベの寡占化で、体力のある(他に事業を持ってる)大手企業だから、強気で値引きをしない時代に突入している…」という部分はそうなんでしょうが、そんな彼らとしても、今の在庫が微動だにしなくなる状況になれば、そこから更に積みましていくなんていうことは考えにくいです。


新築・新規在庫はそんな感じだとして、中古・既存ストックのお話ですが、普通に考えて、前の人が住んでいた痕跡が露骨に見える物件に、そのまま住みたいっていう人はレアですよね。


既存の賃貸不動産ストックは、退去時(もしくは入居時)に、どうしても物理的な人の手による「ヒトテマ」が必要になります。

売買であっても「直して売る」ビジネスモデルの人達は、その直せる人達の確保がボトルネックになる可能性さえあります。


賃貸を稼働させるための修繕工事に係る人件費、その職能給は今後さらに上る可能性もありそうです。

世間一般では、「お金を払う(客)側」のほうが偉い・強いイメージがあるものの、今後は「一定レベルの施工技術を提供できる側」のほうが強みを増していくかもしれません。

<今だって「忙しいから」って断られることあるんだから…。>


つい先日に富山の天才不動産投資家、ポールさんは重機の免許を取得して、

DIYってなんだろう…っていう
レベルの仕事をされていましたが、

壁紙貼りにしても、シーリング打ちにしても、「多能工」的に施工経験を積んで「自分でできる仕事の幅」を増やしておくことは、とても有効だと思います。


大家さん(投資家)ポジションとして

空室が出た
↓↓↓
職人さんが捕まらない!
見積もりで1ヶ月、施工予定半年後!?

とか、

空室が出た
↓↓↓
「今ヒトが居ないので、どうしても急ぐなら
 ワンルームの原状回復工事100万です。」

といった未来は、そう遠くないところにあるかもしれません。

そんなときに、自分で最低限の仕上げが出来てしまえば…。


もちろん、ボタンのクリック(タップ)一つで「ドローン」が壁紙やフロアタイルの貼替えをヤッてくれるような未来が来れば話は別ですが、物理面や法改正などを考えればまだ少なくない歳月が掛かるでしょう。


自分の身についたスキルを自分の(物件の)為に使うのはもちろんとして、今度はそれを必要としている他の物件オーナーに売り込むこともできます。

そうなると、他の人の物件が空くことがビジネスチャンスになるという新しい展開。もう不動産投資の域を飛び出ていきますが、「お金を増やす」という部分については同じです。


<まとめ>

総人口が減るから、賃貸・売買の需要は減るだろうけど、生産年齢人口がもっと減るから、「まともに人が住めて、それなりの賃貸・売買の訴求力のある住戸」の供給も減る可能性があることは心に留めておいて下さい。


地域の優劣、2極化はする

あと、賃貸・売買需要において、東京一極集中であること然り、人の流入する場所とそれ以外のエリアという2極化。「やっぱり場所の優劣がクッキリするよね!」という当たり前な部分。


これも特に「地方」から人手不足が悲惨になっていきます。
ただでさえ減っていく生産年齢人口の働き手の若者たちが、都市部に吸い上げられていくのは止まらないでしょう。


ただ、ここにビジネスチャンスが見いだせるかもしれません。

先程の繰り返しになりますが、
「需要があって供給が少なければ、価格は上がる」からです。


地元に残った「総人口の需要」に対して、サービスを提供できる若い労働力の「生産年齢人口の供給」サイドがすくなければ、そこに仕事が集中します。そして、その需給ギャップを解消するべく「一人あたりの生産性を上げざるを得なく」なってきます。


「地方に働ける若い人がいる」それだけで、仕事が集まってくる環境になる素地が出来上がってきます。もうオタサーの姫です。


そして、お店で買物をするべくレジ待ちに長蛇の列となっているのにも関わらず、レジが1台しか無くて詰まりに詰まっている状態…。

これを改善するにはレジを増やすか、Pay払いなどの電子決済で効率を上げたり、ネットスーパーを展開してレジに並ぶという行為そのものをシフトするか…こんな設備投資のチャンスなんです。


「人が足りないなら他から持ってくればいいじゃないか」(空室も解消するし、働き手も増えて万歳)という移民ウェルカムな話も否定はしません。

ただ、せっかくの需給ギャップを解消するべく、固定資本(インフラ)の形成、経済成長につながる生産性向上のための投資のチャンスが目の前にある状況、移民ぶち込んで終わり!っていうのは寂しいかなぁ…と思ったり。


重機を扱う人件費が上がりすぎた為に、大幅な設備投資をして全部AIが勝手に伐採・伐根・運搬を担う日がくるかもしれません。
配送の人件費が上がりすぎて、ドローンの開発と法改正に設備投資したほうがむしろ安上がりかもしれません。
タップひとつで整地・測量・造成からの3Dプリンタ建築物が建ち上がる未来に繋がるかもしれません。


国内の設備投資にがっつりお金が入る(入らざるを得ない)圧力が高まることで、まだまだ経済成長は出来るはずっ。

内需でガッツリお金回しましょう☆


生産年齢人口が減ったら経済成長できないのか…というと、そんなことはありません。

実例としては、日本以上に総人口・生産年齢人口が減少しているジョージア・ラトビア・リトアを見てみてね。

みつはしいいいいいいいいいいいいい

(三橋貴明 氏 ブログより:http://mtdata.jp/data_61.html#JGLR)


そんじゃーね(インスパイア系)

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関田タカシ
こちらは執筆及び不動産投資の糧になります!