この優勝が、嘘みたいにならないように/山本有真②
2023アジア選手権、女子5000mで
優勝を勝ち取った山本有真選手。
ただ、実際には「素直に嬉しいんですけど、
まさか優勝できるとは思っていなかったんです」
と本人は言います。
最後は”楽しんでこいよ”
大会直前までの調整は、うまく進められた山本選手。
どんな展開になるかわからない海外レース。
出場選手の中にも資格タイムがわからない選手もいて、
用心しながらレースには入りました。
野口監督からもらったアドバイスとしては、「(暑さもあるため)前に出ないようにして、体力を極力使わず、最後のいけるところで前に出るレースプランでした。それで、最後は”楽しんでこいよ”って言われたので、楽しいレースを心がけました」
そんな状況で始まったレースは、
前半からスローペースの展開。
山本選手は状況を見て、
前から3番手前後につけます。
「ペースも遅かったので、序盤は先頭の方で隠れながら走っていました。海外レース特有の日本と違う雰囲気があって良かったですね。ちょうどやり投げの選手がすごい記録を出していたので、後ろにつきながら会場を眺めたりしながら、余裕を持って走れたので、自分の中ではすごく楽しかったです」。
その後、4000m付近で山本選手はトップに。
先頭をインド代表のParul CHAUDHARY選手と
争いながら、迎えたラスト1週。
残り200mで、ライバルを突き放した彼女は、
見事に優勝を達成。ゴール後、
力強くこぶしを突き上げました
「先頭を争っていたのが、3日前のチカコさん(森智香子)のレースで優勝された方で、ラストがすごいイメージがあったので、『あの人が来るんだ』と思っていました。だから、最後、めっちゃ怖くて(笑)。『いつ来るの、いつ』って思ってたんですけど、そのままゴールできた感じでした」
自分で優勝して聞いた国歌は、忘れられない経験
目標だった、日本代表の一員として勝ち取った優勝。
特に印象的だったのは表彰台のシーンです。
「レースを終えた直後は『えっ』て感じで、フワフワしてたんですけど、表彰台に登って、国歌が流れた時は感動しました。他の日本選手が優勝した時の国歌も聞いて感動してたんですけど、自分で獲った金メダルの国歌を聞いたのは、すごく感動しました。 あれは多分、忘れられないなって感じの経験です。『やばい泣きそう、映ったらどうしよう』って思って、なんとかこらえた感じです(笑)」
今回のアジア選手権を、
最高の結果で締めくくった山本選手。
ですが、タイムは15分51秒16。
それだけを見れば全力を
出し尽くした結果ではありません。
だからこそ、次のステップが大事だと、
彼女は考えています。
「今回、ゴールタイムもそんなに早くなかったので、優勝できたのは良かったと自分でも思いますが、あまりタイム的に納得はできていません。だから、アジア選手権で優勝したことが、嘘のようにならないように。世界選手権やアジア大会も今後あるので、そこでもう一度結果を出したい。今シーズンに入って、まだ自己ベストも出せていないので、アジアチャンピオンと言われることも多くなりましたが、それらしい選手に、しっかりなれたらいいなと思います」
受けた多くの応援、現地からの声援を
力に変えて、結果を残した山本選手。
その力をホンモノの実力に変えられるように、
次の世界との戦いも楽しみながら、
彼女は一歩ずつ前へ進んでいきます。
文:守本和宏/ナノ・アソシエーション
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