「この辛い時期があったからこそ」と言えるように/卜部蘭②
昨シーズンを通じてフォーム改善に取り組み、
積み上げてきたものが実戦でどれぐらい通用するか、
3月の海外2レースで、試すことができた卜部蘭選手。
「それを温かい中で試せたのは大きいなと思っています」
と、春からのトラックシーズンに向けて準備を進めています。
みんなが最大限に集中する特別なレース
ここからはグランプリシリーズ
などが入ってくるため、
今後は今までの手応えを
結果に結び付けなければいけません。
「今後の試合では勝負を意識するのと、自己ベストを更新したいのはあります。手応えは“今後の調子次第”という感じですが、グランプリシリーズが入ってくる前に、2本走れた。身体の中でも大きな筋肉を使って、より大きな力を生み出す走り方を、レースで試せたのは自分の中で大きいです」
その先に見据えているのは、
やはりオリンピックの舞台です。
「今年はパリオリンピックがあるので、やはりそこは狙っていきたい。それと同時に自己ベストを更新して、今までよりステップアップして走れるようになって勝負したいです。個人的には、それが一番大きな目標ですね」
「私自身もそうですが、オリンピックに集うみんなが、そこに向けて集中している。その中でのレースはやっぱり普通と違うし、『ここでまた走りたい』と思える場所。そこで自分の1番のパフォーマンスをして、自己ベストを更新したいというのが、気持ちとしてもあります」
その強い想いは、消えることがありません。
今までの全部を、力に変えて
しかし、大きな目標は意識しつつ、
まずは目の前の1レースを大事にすること。
レースの舞台に帰って来られたことが、
自分の中では一番です。
「去年全くレースで走れなかったのを考えると、本当にこうやってレースに出られる、走れる。その舞台で、色々『ここに挑戦してみよう』とか『こんな感覚だったな』と感じられるのが、幸せだなと改めて実感しています」
今までうまくいかなかった記憶も力に変えて。
また新しい自分に出会うため、
前向きに進んでいきます。
「以前も“「ここができなかった」じゃなく「ここまでできた」と考えるのが重要”と話しましたが、本当にどこに目を向けるかが大事。逆に、この辛いシーズンがあったからこそ、この先に向かう期待も大きくなるし、『あの時があるから』改めて色々やってみようとも思えた。そういった挑戦ができているので、長い目や大きなスパンで見た時に、今までの出来事を全部、力に変えていきたいと思っています」
たくさんの応援の声を力に変えて。
「積水化学の選手たちはトラックからロードまで活躍してるなって思ってもらえるように、勢いよく走る姿をお届けしたいと思っています。野口(英盛)監督が言う「色々な種目で積水の選手は強いと思ってもらえる」、その1人でいられるように頑張りたいです」
希望を持って未来へと、
卜部選手は進んでいきます。
文:守本和宏/ナノ・アソシエーション
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