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傾く背中を支える手

笑顔なく、クイーンズ駅伝2024準優勝の
ゴールテープを切った森智香子選手。
それを支えたのは、山本有真選手でした。

全力を尽くして走り切った後、
こみ上げる悔しさに、立つ力も残っておらず、
森選手は山本選手に、もたれかかります。

その少しだけ傾いた背中は、
みんなが背負っていた
”予想より少し重かった”重圧を、
表しているかのようでした。

そして、少しずつ元に戻った山本選手は、
優しく、そして力強い両手で、
森選手を抱きしめました。

連覇させてあげれなくてごめんなさい

クイーンズ駅伝2024、優勝候補の本命に
あげられていた積水化学。
しかし、優勝を争う他チームが
後半にかけて勢いを増してきたのに対し、
平常心で対応しきれなかったこと。
挑戦者としてがむしゃらに
戦ってくる相手に対して、その実力を、
実力以上のものを見せられなかったこと。

いくつかの要因が重なり、最後まで
相手以上の走りが見せられなかった
積水化学は、2位でレースを終えました。

準優勝もまた立派な結果です。
ただ、連覇のみを目標としていた積水化学にとって、
それは目指したものからは、程遠い結果でした。

アンカーの森選手を出迎えた、
山本選手は森選手にこう言いました。

「私、ごめんなさいって言っちゃって。やっぱり、(森)智香子さんが多分チームで2連覇に一番思い入れが強くて、 辞めようと思っても続けてもらってるので、連覇させてあげれなくてごめんなさい、って言いました」

改めてトラックと駅伝って違うと痛感した

優勝に届かなかった要因を、
山本選手は「年長の方々に
頼りすぎていた部分がある」と言います。

「自分も全力を出し切ったんですけど、心のどこかで(佐藤)早也伽さんがいるから、新谷(仁美)さんがいるからっていうのが、きっとあの2人はすごいプレッシャーだったと思うし、責任を持たせてしまった。智香子さんや早也伽さんや鍋島(楠莉奈)さんと、あと新谷さんのために優勝したかった気持ちがすごく強いです」

万全の準備をして、自信をつけても、
簡単に勝つことのできない、
社会人駅伝の難しさを、改めて感じていました。

「積水のメンバーは国際大会でも、高いレベルを目指している中で、この駅伝でも勝ち切る難しさを感じました。トラックでは皆さん今年一年、十分な成績を残してきましたけど、トラックと駅伝って違うんだなって改めて痛感しています」

連覇への思いは、前よりさらに
強くなりました。
「もう2連覇したい、っていう気持ちがさらに強くなったので、頑張りたいです」

一生懸命やった結果が、2位だった

目指す結果に届かなかったとしても、
誰かによりかからなければ立てないぐらい悔しくても、
きっと、支えてくれる人の手があれば、
何回でも挑戦はできる。

村上(和也)部長は、こんな言葉で
レースを締めくくりました。

「これは”残念”ではないんです。一生懸命やった結果が、2位だった。そういうことです。真剣に全力で取り組んでも、うまくいかないことがあるのは、世の中の普通。今日の結果を何かのきっかけにできるように、前向きに受け止めて、また次の試合、1年後の駅伝で皆さんに成長を見せられるように、これからも努力を続けていきましょう」

森選手を支えた山本選手の手。
選手を支えてくれた、沿道の声援。
テレビやインターネットから届いた応援。
そんな、たくさんの全ての手に支えられて、
積水化学はまた改めて、一歩を踏み出します。


文・写真:守本和宏/ナノ・アソシエーション
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