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キャプテンの資格
念願のクイーンズ駅伝初優勝を飾った積水化学。
ゴール後、涙で抱き合う二人の選手がいました。
1区を走った森智香子選手と、
キャプテンの宇田川侑希選手です。
その抱擁は止めどなく続きました。
2人だけに通ずる、想いの中で…。
残念ながら、クイーンズ駅伝メンバーから
漏れた宇田川選手。
実力的には、去年優勝したプリンセス駅伝でも
4区を走り、新谷仁美選手から
「彼女がプレッシャーのかかる4区を安定して走ってくれたのが鍵だった」と評価されました。
しかし、どれだけ力があっても、
怪我には勝てません。
最終的に駅伝には間に合わず、
区間オーダーからは外れました。
チームのため心を砕いてきたキャプテン
ただ、彼女のキャプテンとしての貢献は
誰もが認めるところでしょう。
今年度初め、宇田川選手は
「実業団の中で一番応援されるチーム」になると
目標を掲げました。
その確かなビジョンはチームに浸透。
「去年で注目度が上がり、個人の選手の記録も目が行くと思う。だから、一人ひとりがレベルアップしないといけない。強い選手に頼っていると周りから思われないように、全員がちゃんと走れないといけない」。
そして身につけた力は、
駅伝優勝の大きな要因になりました。
春の合宿中には、新谷選手と直接話したい、
と自ら行動。山田マネージャーを通じて
コンタクトを取り、話をしました。
「前年の中で、やれることは全部やった。後、できることといったら、勇気を出すぐらい」。
そんな彼女の意思が、
強いチームのつながりを築きました。
クイーンズ駅伝6区でアンカーを務めた
木村梨七選手は、夏に負傷から復帰した後、
全体とは別メニューで宇田川選手と共に調整。
「ユウキさんと走ったら”離れないぞ”って気持ちになります」と、選手の心の支えになりました。
秋の負傷もあり、ベストパフォーマンスを
取り戻しきれなかった宇田川選手。
ただ、彼女が一年間、チームのために
心を砕いてきたこと。
それは、チームのみんなが知っています。
キャプテンで良かった
そんな彼女の頑張りを、
そばで見てきた野口英盛監督。
優勝後、みんなで喜び合う
選手の輪の中に野口監督は、
遠巻きに見ていた宇田川選手と野村蒼選手の
背中を押して、「こいつらも入れてやってよ~」と送り込みます。
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宇田川選手の気持ちを察し、
無言で抱き合しめた、森選手。
共にチームを導いてきた二人の抱擁は
しばらく続きました。
2年前、キャプテンをやらないかと
声をかけられて
「最初絶対無理だと思った」宇田川選手。
今ではきっとみんな、
たくさんの葛藤を乗り越えてきた宇田川選手が、
キャプテンで良かったと
思っていることでしょう。
その想いこそ、きっと
優勝チームのキャプテンにふさわしい資格。
そう、呼べるものなのだと思います。
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文:守本和宏/ナノ・アソシエーション
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