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人が成し遂げたところ、じゃない『その先へ』

今週末、1/15(日)に迫ったヒューストンマラソン。
昨年、13年ぶりのマラソン再挑戦を表明、
2022年3月の東京マラソンで2時間21分17秒
(日本歴代6位)を記録した新谷仁美選手が、
再びマラソンに挑みます。

目指すのは彼女自身が目標として公言する、
5000m、10000m、ハーフマラソン、
マラソンの4種目日本記録達成。
その大きな挑戦に向けて、新谷選手を指導する
横田真人コーチは、「怖い」と直前の心境を話します。

僕たちらしい、マラソン挑戦

昨年、東京マラソン挑戦の際には
「結構不安もあったので、色々な人に相談して、こうした方がいいんじゃないかみたいなのがあった」と話す横田コーチ。
もちろん、それで良かった部分はありましたが、
原点に立ち返ると、違ったアプローチが見えてきました。

「僕らが目指してきたのは、“人が成し遂げたところに行く”ではなく、“その先に行きたい”っていうのを、ずっと新谷と作り上げてきた。アドバイスを聞くのは良いことですが、僕らのあり方は『道なき道を行く』だよねって」

そう考えると、自然に自分たちの
選択するべき道が見えてきたのです。

「新谷をどう走らせるか、新谷をきちんと見て、新谷にあったトレーニングを組む。今回は“新谷の良さを引き出しながらマラソン練習にどう向き合うか”に立ち返ってトレーニングを組みました」

新谷選手が“余裕度のある動き”で
走れるペースを大切に考える。
結果、1㎞のタイムも東京マラソン時は
3分20秒程度で設定していたところ、
今回の練習では3分11秒程度で設定。

もちろん、長い距離の練習をしつつも
「難しいこと考えずに、もう勢いで言っちゃおう」
と決断したところに、怖さがあると言います。

喜びをもっと大きくするために結果が必要

それでも、今回こだわるのは、
「結果以外にない」と、横田コーチは話します。

「以前は、マラソンを走ることで色々な人に支えられていたり、新谷が色々なことに気づくチャンスになるかなと思ってたんですけど、今回目指しているのは結果。前回の東京マラソンで出せなかったものを出し切ることと、僕たちはオレゴンで悲しい思いをしているので、その借りをきちんとアメリカで返すこと。それが僕らにとって、大きなテーマだと思っています」

結果を出した先に、何があるのかはわかりません。
でも、まずは結果を求めて走る。
それによって、支えてくれた色々な人たちが、
きっと喜んでくれると思うから。

「絶対、僕と新谷だけじゃここまで来れていない。助けてくれた人を思い浮かべるだけで、一瞬で何十人も思い浮かぶ。その人たちが、新谷が挑戦する姿を見て喜んでくれるのは、間違いないと思うんです。それは事実だからこそ、その喜びをもっと大きくするために、結果が必要だと、僕らは思っています」

そう、多くの人々への感謝を口にしました。


「僕が当日できることは何もない。ただ、当日までの準備でできることは、まだたくさんある。新谷の心地よいリズムを、現地に入ってからどれだけ作れるか。違う環境でも、納得いく練習や1日の過ごし方など、先回りして考えることはたくさんあるから、僕にとってはそこが勝負。試合まで調整などバタバタすると思いますが、しっかりやれるようにしたいと思います」
と話す横田コーチ。

自分たちなりのマラソン挑戦の結果がどう出るか。
その結果を多くの人が、暖かい目で見守っています。


文:守本和宏/ナノ・アソシエーション
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