野暮な質問と少しの涙
「野暮な質問をしたな」と思いました。
6/1の陸上日本選手権3000mSC。
6年ぶりの表彰台、9分40秒台の記録を出して、
2位となった森智香子選手。
彼女に「(表彰台は)嬉しかったですか」と
聞きました。すると、彼女は答えます。
「複雑な気持ちもやっぱり多少あります。あと1歩、優勝に届きそうなところまで来ていたので、悔しさはありますね。でも、この6年間を考えたら、やっと復活じゃないですけど、納得のいく走りができたのかなと思います」
アスリートに「2位で嬉しかったか」と
野暮な質問をしたことが恥ずかしく、
そして、優勝から何年経とうが何歳になろうが、
本気で1位を目指し努力してきた彼女の姿勢に、
心から尊敬の念が湧いたのです。
今年結果が残せなかったら
日本選手権大会初日、女子3000mSC。
2017年の優勝以来、久々の表彰台となった森選手。
この6年間、少なくない葛藤も抱えていたでしょう。
自分の中で折り合いをつけなければ、
いけないこともあったはず。
彼女はレースを振り返り、
少しの涙を見せながら、話しました。
「本当は、もう今年で3000mSCもやめようかなという想いがある中でのレースでした。野口監督からも『3000mSC以外の種目でも十分輝けるから、種目は3000mSCじゃなくてもいいんじゃないか』と言っていただいて、その中での取り組みだったんです。だから自分の中でも、今年結果が残せなかったらこの種目はやめようかな、というぐらいの覚悟の中で走れた。そういった”決意”が、レースに現れたのかなと思います」
5000mでも日本5位
さらに続く、大会4日目の5000mにも出場した森選手。
田中希実選手(New Balance)、五島莉乃選手(資生堂)、
廣中璃梨佳選手(JP日本郵政G)など、
オールスターとも言えるような中距離メンバーの中、
上位をキープして堂々の5位入賞。
記録も15分30秒39で、セカンドベストをマークしました。
この結果に本人も、
「びっくりしました。本当に信じられません」と
驚きを隠しません。
「流れを見ながら行けるところまで行って、この挑戦が次に繋がればいいと思っていました。でも、終盤で意外と全体のペースが落ちて、余裕を持てたので、勝負してみようという感じで行ったら、最後まで残ることができました」
「去年で引退しようかなという思いもあった中、続けることを決めたので、そこでまたもう1回、気持ちが引き締まりました。続けるなら、しっかり結果を残したいという思いで取り組めてるのが、いいのかなと思います」
色褪せず輝き続けるのは、難しいこと。
でも、諦めず努力を続けていれば、
いつか違う色の輝きを纏えるはず。
強い決意のもと、森選手は
さらに新たな輝きを放ちつつ、
次のステップへと進んでいきます。
文:守本和宏/ナノ・アソシエーション
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