詩28

蕎麦屋のショーケースの中に飾られた
座布団に座っているデフォルメされた猫の置物は
いつからか倒れたままで
直したくても触れることができず
どうにもできないもどかしさは
店に電話をかけて「なんとかしてください」と伝えるほどのものではなく
これはこれで趣があると自分に言い聞かせるか
自分には関係ないと割り切るしかない
それができないなら
夜に忍び込み直す

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