2024.10.20『結局何も思いつかない』

飛行機を見上げた。だからといってどうするわけでもなかった。

なにも思い浮かばず、ひたすら自転車を漕いだ。この年齢になっても持ちうる最高の移動手段は自転車なのだ。一瞬昔のことを思い出しそうになったが、はっきりと思い出せなかった。

自転車を漕いでいれば偶然誰かに会えるかもしれないと思ったりもした。地元の高校生でもあるまいし、そんなことはなく、誰にも会えなかった。

自転車を停めて、珈琲を飲んだ。店を出ると自転車が倒れていた。傷がついていたが、それが倒れてついたのか元々ついていたのかはわからない。

結局何も思いつかなかった。

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