日本共産党は、暴力革命の方針を破棄したのか?
日本共産党の志位氏が、「敵の出方論」という言葉を使わないと表明しました。
その後、八代弁護士が、共産党の綱領で暴力革命について言及されていると言いましたが、後に発言を撤回しました。
しかし、日本政府は、日本共産党が暴力革命の方針を捨てていないと認識しています。今年の6月の政府の答弁書には、
「日本国内において破防法に規定する暴力主義的破壊活動を行った疑いがあり、いわゆる『敵の出方論』に立った暴力革命の方針に変更はないものと認識している」
(下のリンクより引用)とありますし、今年の3月にも同様の答弁書が閣議決定されています。(下の記事参照)
また、私から言わせてみれば、暴力革命の意図がないなら、なぜ暴力革命を肯定する思想を党名として掲げているのか、甚だ疑問です。
共産主義と言うと、現在ではマルクス主義やその影響を受けたマルクス=レーニン主義を指すことがほとんどであり、ほぼ同義として使われていますが、マルクス主義でもマルクス=レーニン主義でも暴力革命が肯定されています。
昨年2020年1月に出された綱領を見ると、
最初に社会主義への道に踏み出したソ連では、レーニンが指導した最初の段階においては、おくれた社会経済状態からの出発という制約にもかかわらず、また、少なくない試行錯誤をともないながら、真剣に社会主義をめざす一連の積極的努力が記録された。
(下のリンクより引用)と、レーニンを支持するようなことが書かれています。
なお、歴史上、共産主義者達は非常に巧妙なレトリックを用いて支持者を獲得しようとしてきました。プロレタリアによる独裁を「プロレタリア民主主義」と言い換えたり、時と場合に分けて「共産主義」と「社会主義」という言葉を巧妙に使い分けたり、ソ連や中国のような共産主義は失敗だったのだ、マルクスが描いていた世界とソ連のやり方は違うと言ってみたり…
実際に、警視庁も日本共産党の綱領改定について、
マルクス・レーニン主義特有の用語や国民が警戒心を抱きそうな表現を削除、変更するなど、「革命」色を薄めソフトイメージを強調した
(下のリンクより引用)と認識しています。
彼らの論法に騙されないようにするには、共産主義という思想におけるロジックを理解し、共産主義国における歴史を学ぶ必要があるのです。
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