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国連の勧告を聞いて選択的夫婦別姓にするべき?

 先日書いたこちらの記事が好評で、嬉しい限りです。読んでスキしてくださった方々に感謝申し上げます。

  しかし、こちらの文化の話だという意見に対し、「国連の女子差別撤廃委員会から勧告されたじゃないか」という意見があります。↓以下参照

 国連の勧告を受け入れる必要はない

 勘違いしている人も多いですが、国連が勧告を出したからと言って、その要請に従う必要はありません。実際に、過去には勧告をはねのけたことがあります。日本は2016年に、女性が天皇になれないことについて女子差別撤廃委員会から勧告を受けていますが抗議し、最終的に国連側は皇室典範に関する記述を削除しました。(下の記事参考)

男女どちらの氏も選ぶことができる点で現行法も平等

 なお、国連は「選択的夫婦別姓にしなくてはいけない」とは言っていません。一番最初に掲載した日経の記事にあるような「男女が同じ選択肢を」という批判ですが、現行法でもどちらの氏も選べますし、男女ともに同じ選択肢がありますよね、としか言いようがありません。

 また、過去の裁判では、旧姓使用が広がっていることにより、改姓者の不利益が解消されていると判断されています。↓以下参照

 これらのような理由から、現行の夫婦同氏制度は合憲とされています。↓下の記事も是非お読みください。

余談・国連の常任理事国や国連機関の事務局長達を調べると…

 国連の常任理事国の構成国は、アメリカ、イギリス、フランス、ロシア、中国です。

 最初4ヵ国が日本や東アジアの事情に疎いのはよくわかるのですが、東アジアではどちらかというと夫婦別姓の方が女性差別的だったということは、中国が一番よく知っているのではないでしょうか?(詳しくは下の記事参照)

 ロシアでは別姓選択が可能ですが、氏名以外に父の名前である「父称」を名乗ることになっています。別氏選択できても名前の構成要素を見ると家父長制の名残を排除できていないことがあるということをよく知っているのはロシアではないでしょうか?

 実はアメリカやイギリスにも、父称を名乗る文化はありませんが、父称由来の姓が存在します。↓詳しくは以下参照


 ロシアはイギリスの首相が父称由来の姓であることをどう思っているのでしょうか?また、イギリスやアメリカはどう考えているのでしょうか?

 また、日経の記事に登場した国連のUNウィメン事務局長出身のムランボヌクカ氏はアフリカ出身ですが、アフリカには、姓の代わりに父称を使うという国もあるはずです。WHOの事務局長テドロス氏も、そのような名前の仕組みを持つエチオピア出身です。これについてどう思っているのでしょう?

 実に実に不思議ですね。