【カルト問題の難しさ カルトの敵は別のカルト】
*はじめに
「カルト」の定義についてはこちらをご参考に。簡単に言うと、反社会的なことです。
カルト問題の難しいところの一つは、「反カルト」を謳う立場の人達にもカルト性が見出されることがあることです。例えばジャーナリストの米本和広氏は、反カルトのカルト性について警鐘を鳴らし続けてきました。
統一教会の問題に限って言えば、反統一教会を掲げている代表的な政党として知られる日本共産党自体のカルト性は否定できません。日本共産党は、現在も暴力革命を否定していないとして公安調査庁の調査対象になっています。日本共産党は科学的社会主義を掲げていますが、これはマルクス=レーニン主義のことです。マルクス=レーニン主義では暴力革命と独裁が前提とされています。これも十分カルト的ではないでしょうか?近年、EUの欧州議会では、共産主義がナチスと同様に危険であると批判されるようになってきていますし、共産党が禁止されている国家も存在しています。
*この動画にも詳しいです。「宗教はアヘン」という言葉は、マルクスの言葉に由来しています。
カルトに困る人に善人のフリをして近づく別のカルトも存在します。こうしたカルトは、社会問題解決を謳っているなど、必ずしも宗教の形を取っているとは限りません。
また、反カルトのジャーナリストの中には、面白おかしくカルトを扱おうとしている人も存在します。反社会的な団体とはいえ、真面目に信仰している人がいる以上は面白半分に扱って良いものではないと思います。こうした事象も、反カルトのカルト性と言えるでしょう。
「反カルト」だからといってまともな人物や団体であるとは限りません。反カルト対策の過程で、反カルトを掲げた団体が接近してきたけれども、蓋を開けてみたらその団体もカルトだったという例は少なくありません。カルト対策の難しさは、こうしたところにあります。カルトだけでなく、反カルトを標榜する団体や人物についても注意する必要があるでしょう。