【殿堂ゼロ】2024年秋~冬期環境考察&解説
本当は殿堂ゼロから始める3キル生活とかいうPOPなタイトルにしたかったけど没になりました。1から…いや殿堂ゼロからもいい線行ってると思ったけど流石にね
1.導入
文章クッソ長いです。誰もやらんフォーマットでそんな書くことあるのかと思ったそこのアナタ。
逆に考えてみてください誰もやってないんです。
それだけ手を加える部分が想像以上にありました。
ちなみに皆さん殿堂ゼロのゲームってどうなっているかご存じですか?
ラッキーダーツでデリートやギラングレイル打ってくるんやなくらいに思っている方が大半だと思います。筆者もそう考えていましたし1ヶ月くらいはそう思っていました。
ただ他のデッキって何があるかご存じですか?
大体は初代殿堂ゼロ王であるブライトンさんの殿堂ゼロのすすめを読んでいただければ間違いなし。
今回は私が殿堂ゼロフォーマットに触れ始めてからの約4か月で起こった
環境変化についてとアプローチの内容。そして一部有力デッキの紹介を中心に述べていきたいと思います。
本当であれば所謂Tier3クラスまでは紹介したいところですがブライトンさんのネタを奪うのも忍びないというメタい事情がありつつも一部抜粋という形にさせていただきたいと思います。
2.有力デッキタイプ
諸々の説明の前に現在のデッキタイプの簡単な紹介とサンプルリストを載せていきます。
これ以降の文章がとても長いので有力デッキタイプだけでも見てくれると嬉しいです。
ダーツデリート
殿堂ゼロの顔としてお馴染み
ラッキーダーツを打って色んな連鎖札を挟み最終的にオールデリートやギラングレイル等のエンドカードを唱える非常に尖ったデッキでこのデッキでゲラゲラ笑うために殿堂ゼロをやる人もいるかと思います。
色々と回していく中で再度採用された侵略開始!!にゃんこ軍団/にゃんこ砲発射!
デリートやギラングレイルの2枚と比べると貧弱に見えるが禁断採用した通常環境産のデッキが増えてきた中で1~2ターン目に捲れると案外除去が出来ずにそのまま勝ちというケースも多いです。
また連鎖用に採用されている天上天下双極∞の当たり札にもなるので意外とかみ合いは良さげ。
勿論トリガーで返されたりなど裏目も多い札ではありますがご愛敬として受け入れましょう。
銀河転生
殿堂ゼロの顔その2
驚異の3キル率が約7~8割! 再現性の鬼
基本的な動きについては黒木氏がまとめてくれているのでこちら
また殿堂ゼロデッキの中では打点を止めるSトリガーの総数が非常に多い、
早期打点形成でゲームを決める轟轟轟などのデッキタイプに強く出れるのもこのデッキの隙が無い所。
その脅威の再現性+盾受けと引き換えに失ったものはメタへの耐性
基本的にメタクリが2枚並ぶと泡を吹く。
とはいえ時を戻す水時計や王家の秘宝などのメタクリ除去も採用している為、とこしえとセガーレの緑のメタクリには少し苦しいですが他のメタクリ相手の場合は対応がしやすいです。
大地サイクリカ
殿堂ゼロの顔その3
基本的な動きは同様に黒木氏がまとめてくれているのでそちらで
緑メタクリ2種と5000VTの追加により自分より早い相手のアプローチやメタクリデッキに対しての打開など。従来の殿堂ゼロ産デッキの中では珍しいバランスの取れたデッキ。
フェアデッキのように見えるアンフェアデッキであり、どのタイミングでコンボに入ってくるか掴みづらい為、対面難易度は若干高く三か月くらいはどのようなアプローチが有効か試行錯誤を繰り返していました。
そんな中で秋に追加されたシェル・アルカザールが大地サイクリカの強化となりました。
2コスブースト枠で且つエレメント除去にもなれる1枚。
実質ツインパクトであるシェル・アルカザールは5マナ時に相手のメタクリを退かしつつ残り3マナで大地を唱えてそのままループといった除去+展開の起点になれます。
ヒラメキ大地ウォズレック
2024年12月に入ってからの新顔
基本的な解説やループ手順は下記の記事で
従来のヒラメキデッキと異なり自然文明のマナブーストを取り入れかつ大地サイクリカの基盤とアプローチを取り入れたものとなる。
何よりも魅力的なのは1枚起動で3キルを狙えるという条件の緩さとアーテルやVT等で面取りの性能も高いので中途半端なメタデッキでは太刀打ちできない点。
アーテル・ゴルギーニがヒラメキ中継クリーチャーとしてスペックが非常に高く、セガーレを除けばー4000除去で大体の低コスト帯メタカードは処理できます。
また現行の大地サイクリカと異なり、効果処理が途切れないタイプのループの為、オニカマスなどの誘発メタクリでは対策になりづらいのも特徴です。
初期盤面への移行手順が複雑な事も多く数回して覚える系のデッキタイプなので使う際は一人回しで練習することをオススメします。
赤青マジック
元通常環境の覇者
瞬閃と疾駆と双撃の決断が殿堂入りするまで環境トップを走り続けていた
赤青マジックは殿堂ゼロでも上位クラスの強さを誇っています。
銀河転生やヒラメキ大地ウォズレック等の3キルデッキに対し後手を取ると苦しいですが既存カード採用枚数の配分を変えることでそれらデッキに対して寄せる事ができるのでそういった柔軟さを評価してます。
追加されたのは通常環境でも騒がれた
♪立ち上がる 悪魔に天使 墜ちるかなです。
マジックは奇天烈シャッフの「3」宣言が非常に苦手で今まではカクメイジンを通せる状況でも打ちたい呪文のコストが「3」に集中していたことからゲームを決めに行ったり拘束することができませんでした。
しかし本カードが追加されたことでシャッフ「3」宣言に対しての切り返しのアプローチを得る事が出来たのは強化ポイントです。
また手打ちで本カードを唱え相手のメタクリを効果を無視することで場に小型マジッククリーチャーがいる時は手札のカラクリバーシと合わせて打開といった事もできるようになりました。
ファイアーバード
現行通常環境の覇者
基本的な解説は下記の記事にて
通常環境で強いデッキは殿堂ゼロでも強いその2
GP2024-2ndのオリジナルで優勝したファイアーバードも殿堂ゼロでまさかの上位に食い込むスペックを持っていました。
固定パーツが多く種族単一で組む都合でメタクリの採用がしづらいデッキの為、対面の先手3キルには無力ですが、先手3ターン目ハッタールピアからのメクレイドの動きは殿堂ゼロ級の強さで先手時には無類の強さを誇ります。
3キル成功率の高いコンボ系に対してはどうしようもない負けはありますが、地上戦を主としてメタカードで縛りつつ動くデッキに対してのアンチデッキといった立ち位置となっています。
特にメタクリの出し合いが定石になりつつある殿堂ゼロにおいて突撃インタビューが非常に強く、除去+展開を同時にこなせるのは今の殿堂ゼロに求められている要素の1つとなってきており、最近の殿堂ゼロではファイアーバードを乗り越えれるかが基準となってきています。
殿堂ゼロに輸入するにあたってダーツデリート対策に禁断を採用されました。オリジナル環境と異なりゲームの展開が早い都合で山札を1周させる事ケースが少ないです。それ以上に待つことで相手の猶予ターンを与えるデメリットが多いのでどつける時にどつくのが殿堂ゼロのファイアーバードです
青黒COMPLEX
現行オリジナル環境メタデッキ
メタクリ+パルテノンの布陣が銀河転生に強く、禁断採用と一定の盾受けを用意することでダーツデリートに対しても強く出れる事を評価されて輸入されたデッキタイプです。
13番目の計画を採用しているのは禁断採用により山札の枚数が足りなくなるケースが見られた点と幅広くデッキタイプを見るためのメタ枠を採用する際に枠が足りなかった為に山札枚数を増やしています。
殿堂ゼロ環境デッキでは珍しいトリガー受けができるデッキタイプでメタクリとハンデスで相手の選択肢を狭めつつ、待てば5000VTで面を飛ばされるかもしれない、盾を攻撃すればトリガーで返されるかもしれないといった択を突きつけます。
5000VTに対してのアプローチとして採用されたのは2枚ハンデスの行えるスケルトンバイス
殿堂ゼロにおいてランダムハンデスの評価は低いのですがリソース拡張が苦手なデッキが多くスケルトンバイスで手札を狩り取れるケースも多いです。
また呪文なので5000VTの返しに打つことも出来るためハンドリソースが乏しい大地系に対しては有効なアプローチです。また4マナなのでマナ加速のない青黒カラーでもギリギリ間に合うのはグッド。
メタでの封殺が難しくなっているにもかかわらず、時代に逆行してメタと盾受けそしてハンデスでアプローチする異質なコントロールデッキ。過去のギャラクシールドのようなアプローチだと思っています。
赤単轟轟轟
過去環境最速のデッキ
殿堂ゼロの有力デッキの受け枠がGストライクに寄っている都合で再度着目されたデッキタイプ。
轟轟轟や逆悪襲の2種で圧をかけつつ、ドリルスコールで相手の動きを縛る動きがシンプルに現代殿堂ゼロデッキに刺さる。
ベイBセガーレが厳しい部分はあるが完璧妖精ビスカX / 「燃え燃えズッキュン!」というコスト指定の除去を手に入れたことは強化ポイントである
また1コスなので空打ちで捨てながら轟轟轟に繋げるので思ったよりも邪魔しないです。
相変わらず銀河転生に対しては白旗を上げるが現代デッキ相手には有利を取りやすい。
先手後手で大きく勝率幅が開くのは轟轟轟というデッキタイプの定めですが、先手取れればどのデッキにもワンチャン作れるのはそれだけの強みです。
ラッカBAKUONSOOO8th
現行アドバンスデッキのTier1
アドバンス環境からの刺客
殿堂ゼロ環境でのバクオンソーはラッカカラーのメタクリ型です。
赤単轟轟轟と同様に殿堂ゼロ有力デッキの受けがGスト等に寄っている為、非常に通りが良いです。
元々、有力デッキとして考察されていましたが金天使エン・ゴルギーニを採用することにより一気に殿堂ゼロ環境の最有力デッキへと躍り出ました。
2コスメタクリからのハイパーエナジーで3ターン目に着地するエン・ゴルギーニの動きが様々なデッキに対して非常に有効でかつ、従来のバクオンソーが抱えていた問題である。バクオンソーを引けない時のアプローチを得ました。
またパワーが6000あるのも偉く5000VTでは回答にならないのも想定環境で猛威を振るっています。
同期+エンゴルの布陣がとても強力でこれだけで詰みかけるデッキも多く、ここに5000VTを絡めて追撃といった動きはされた側は面を食らいます。
とはいえこの札で1枚でゲームを決める事は難しく5000VTやゲームの決着を早めるバクオンソーとセットの札であると言えるでしょう。
3.Tierとランクと環境
デッキランク一覧
はじめに環境について述べる前に現時点の殿堂ゼロ想定デッキタイプの簡単な評価分けを述べていきます。
さきほど有力デッキを抜粋しましたが、皆さんが知っているあのデッキが無いと思われる方が多いと思います。
過去環境を支配したサガループやドラグナー、また殿堂ゼロ有力デッキとしてご存じのガイアッシュバスター、ジャックオービーなどは現時点で有力デッキからは外れています。
なぜ外れているかに関しては端的に述べると現在の殿堂ゼロに求められる要素が足りていないからです。これについては以降の文章にて述べていきます。
考察の結果外れたものや考察が進み切っていない事から暫定的に外しているものもありますが12月末時点でのランク分けは下記の通りとなります。
ランクの振り分け方として端的に述べると
ランクAは対策必須デッキ
ランクBはランクAに対して不利を取りやすいがランクC以下に強いデッキ
ランクCはその他デッキタイプ 現段階で足切りされたデッキ
と定義しています。
まずTierではなくランクという表現について
私は以前殿堂ゼロにメタゲームは存在しないと述べました。
その理由が競技的な大会が開かれていない為です。
非公認大会等で各地で開かれていますが、どちらかと言えば各々の使いたいデッキを使っている印象がある為に今回の基準からは除外して考えています。
そしてTierという表現が大会が行われている前提の表現となると考えている為です。
Tierについて
Tierは対戦ゲームの他ソシャゲの攻略サイトとかで近年使われるようになってきた表現ですが元々のTierの使われ方は強さよりも流行といった意味合いでした。
なぜそのようになっていったかはキャッチーなフレーズだったからもしれません。AランクというよりもTier1と言ったほうがカッコいいから
それだけな気もします。
その結果、意味が混同されやすくなりTier=強さみたいな認識をされるようになっていったと思われます。
どっちでもいいじゃんと思う人も多いですが
Tier=強いではなく流行なのかを突然ではありますが
食べ物を例に挙げて説明したいと思います。
毎年、数々の新しい流行の食べ物がテレビやSNSで紹介されていると思います。
何年か前にタピオカやマリトッツォなど色んなスイーツが流行していた事を覚えているでしょうか。
メディアのスイーツ特集はもちろん専門店の行列で数時間待ちなどといった事も起こっていました。
ではタピオカやマリトッツォはTier1なのか?と聞かれると
ブームの時はTier1と言えたでしょう。
なぜならば売れていたからです。買いに来る人は多く専門店の前に200人の行列ができたとニュースになるほどでした。
しかし結果的に長期的に通いたいと思った人はどれくらいいたでしょうか?
本当に美味しくて売れ続けるものであれば今でも根強い人気があるはずだと思われます。老舗の食事処や人気ラーメン店とかがいい例です。
所謂リピーターになり、何度も通うようになり継続的に売れていくのです。
継続的に売れているのであれば店の継続ができるはずであり、店のシャッターが下りていくという事はつまりそういう事です。
確かにタピオカやマリトッツォは瞬間的には売れている=Tier1であったと言えると思います。しかし現状を見ると飽きられていきました。
考え方によっては今の評価のほうが適正であると考えることも出来ます。
急にタピオカやマリトッツォに「運営からの大幅がナーフが入ってしまった」とか「ちょっと美味しすぎたから弱体化した」とかなら話は変わりますが大事な事は今も昔もタピオカやマリトッツォの味は大きくは変わっていない事です。
上記の事から後追いのバズったスイーツや昔からのロングセラーとの競争に敗れた結果、一時期スイーツ環境TOPTierとなったマリトッツォやタピオカは地力を問われた結果衰退していきました。
相対的に目立っていた事が買い手の母数を増やし流行っていった。
見慣れていった結果、目立たなくなり落ち着いていっただけの事でした。
今更なんでタピオカとマリトッツォ?と思った方もいるかと思われるので
本筋に戻りたいと思います。
今の話をカードゲームに当てはめると流行を大会母数(使う人がどれだけいるか) 美味しさをデッキの強さ(地力)と当てはめると理解して貰えるかと思います。
つまりは極論、強くないものでも母数の多いものはその時点のTier1になり得るんです。相対的なTier1です。
先に今回の「強い」の定義を述べますと
その時の競技環境にて優勝回数や上位入賞回数の多いものとします。
競技シーン的にはよくある考え方だと思います。悲しいですが地方非公認で3連覇したデッキと都市部のCSで1回優勝したデッキどちらが「強い」かというと後者だと思います。
ではなぜ強くないものが増えるのかというと「強い」以外の点を評価されるからです。
対策されるから、ミラーを避けたいから、そのデッキを対策したデッキを使いたいから、このデッキを使いたいからなど様々な理由で使われます。
その他有名プレイヤーが使っていたからやCSで入賞していたから使ってみたなどという他の人の情報を評価したものもあります。
この考え自体は今回定義した「強い」とは合致する部分しない部分もありますが、間違っているものではないと私は考えます。
その時の共通認識は形は違えども大筋は同じだからです
ですが「強い」は蓋を開けてみないとわからないものです。
そのデッキが「強い」からと言って持ち込んでも対策デッキが増えた結果、思ったように勝てないし実際にその週の母数は減っているといったメタの変化や
他にもGP9thのカリヤドネやGP2024-2ndのマーシャルループなど実際は環境トップと渡り合える「強い」デッキが埋もれているケースもあります。
ポテンシャルこそ環境トップであれども実績がなければその環境トップはいわゆる強くないデッキであり、あくまで自己評価なのです。
こういったケースが起こると先ほどの「強い」デッキが移り変わり母数が移り変わっていき「強い」デッキの定義も変化していくことがあります。
その結果、その時は強くないデッキが母数を増やしていき「強い」デッキとなることもあるのです。
回り道をした説明となったため長くはなりましたが
結局のところ競技シーンの流行は強い=多いとなります。そのデッキが本当にTier1なのであれば母数は自然と増えていくものです。
先ほどのマーシャルループの例に関しては比較的少ない例であり特に環境初期で起こり得る為、環境末期の場合は純粋に強い=Tier1という認識も大きくはズレてはいません。強い≒Tier1くらいが正しいのかもしれません
ただなぜこの部分について長ったらしく書いたのかというと殿堂ゼロ環境は環境初期以前の発展途上の段階であるからです。
殿堂ゼロにおいては判断すべきメタゲームがそもそも存在しておらず。
流行も大会が無いのでわかりません。そもそも流行に乗るユーザーがいないといった「大会ない、流行ない、プレイヤーない」の限界集落化が進んでいます。
だから強い≒多いと定義できないのでTierという表現は現時点で不適切であると考えているからです。
発展途上の殿堂ゼロ
昨年度のガイアッシュバスター然り、今年度のヒラメキ大地ウォズレック然りカードプールが揃っていても開拓されていなかったデッキタイプが出てくることは珍しくはありません。デッキ開拓といった意味でも発展途上であると私は考えています。
また仮にTier付けをする場合、殿堂ゼロの顔であるダーツデリートの存在が問題となります。
ダーツは非常にブレるデッキです。これはいい意味でも悪い意味でもです。
まず対面が禁断を積んでいるかから始まり、ダーツやロジックサークルを引けるかどうか、エンドカードを当てる事ができるかどうか文字通り運で決まるデッキの為、殿堂ゼロを真剣にやればやるほど使いたくないデッキとなっていきます。
禁断積んでいないデッキに余裕で1-4かましたりしたと思えば、禁断採用デッキ相手にギラングレイルを捲って殴り勝ちする。そんなじゃじゃ馬デッキです
そんなデッキを評価する際に出た結論が周りのデッキ次第という本末転倒なオチです。色んなデッキに禁断採用を要求して増えたら息を潜める。
そんなデッキは普通であればいい所Tier2なのですが、悪い意味で普通のデッキではないので頭を悩ませている現状となっています。
そのためTierという表現をあえて避けてデッキの動きと他デッキの影響度合いのほうに着目したランクという表現を用いています。
流行という意味合いのTierを用いるとダーツデリートが圧倒的Tier1になってしまい多くのデッキは知られていない事からTier2以下となってしまうからです。
とはいえ上のランク分けも筆者周りの有識者との話し合いやスパーリングの結果の為、これが全てという訳ではないと考えています。
実際の大会環境が提示された場合に全然違うものとなる場合もありますが、当たるも外れるも天気予報みたいなものだと思ってください。
そういう意味でも1月のDTL環境はとても楽しみにしています。
そもそも情報発信が少ない都合上、有名プレイヤーが使っていたデッキをラッキーダーツ解禁際やファンフェスでも使いたいと興味を持つ人が増えれば
ユーザーも増えて環境というものが生まれるかもしれません。
一応マリトッツォとは何か気になる方向けにwikipediaのリンクを貼っておきます。
4.調整録(2024年秋~冬)
2023年秋~2024年秋までの変遷
2024年10月頃から殿堂ゼロに新しいアプローチが着目されるようになりました。
それは「相手の速度を落とすことで相対的に自分の速度へ持ち込むアプローチ」です。
このアプローチ自体は私が殿堂ゼロに触れる前から一部デッキで行われていましたがメジャーなものではありませんでした。
どちらかというとメタクリを用いて相手のデッキを封殺するのがメジャーなアプローチでした。
2023年9月まではメタカードを複数面並べるアプローチが実際に有効でしたが現代カードをメタカードで抑え込むことが徐々に難しくなってきました
そしてその1ヶ月後、とあるデッキが考案されたことにより力関係は動くこととなります。
2023年後期から殿堂ゼロ環境に新たなデッキが登場しました
アドバンス有識者ぶらっきー氏考案による
皆さんご存じガイアッシュバスターです。
ガイアッシュバスターとは何かという方向けに記事のリンクを貼っておきます。詳細はそちらでどうぞ
「DM23-EX1 大感謝祭 ビクトリーBEST」に収録された
飛翔龍5000VTと「必然」の頂 リュウセイ/「オレの勝利だオフコース!」の2種が鬼羅Starやジャックオービー、赤白轟轟轟といった横並べを主軸とした当時のメタクリデッキに対して非常に有効でした。
特にガイアッシュバスターに採用された「オレの勝利だオフコース!」は2023年殿堂ゼロ王決定戦時点のトップデッキであるジャックオービーをTier3へ陥落させメタカードを並べる事を主軸にしたデッキタイプは軒並み息を潜める事となり。
そしてメタクリを並べるデッキが息を潜めたことでそれらを苦手としていた銀河転生をはじめとしたコンボデッキが息を吹き返すといった文字通り想定環境が動くこととなりました。
この辺りから、速度を意識したアプローチの他に
現行アドバンス+オリジナル環境からの輸入が行われるようになり、
その結果赤青マジックやサガループが有力視されることとなりました。
2023年末期の想定環境はこんな感じ。
今見ると想定デッキタイプが少なく見えますがデッキタイプの開拓が進み切っていなかった部分があると同時にこれらデッキタイプに足切りされたとも読み取れます。
私が殿堂ゼロに触れていない期間の物事であるので内容を飛ばしていたり異なる部分も多少あるかと思いますが、私が触れ始めた時の状況は概ね上記の状態でした。
この時の状況は前回記事の5.殿堂ゼロのメタゲームにてまとめていますので興味のある方はご一読ください。
そして大地サイクリカが行っているアプローチを他のデッキタイプへ流用できないかどうかを考える日々が始まったのである。
大地サイクリカvs青黒COMPLEX
前項の冒頭に述べた「相手の速度を落とすことで相対的に自分の速度へ持ち込むアプローチ」を模索しますが暫く難航します。
理由はシンプルにカードのインフレによる影響です。
まずカードパワーのインフレによってメタクリで抑え込もうという動きが難しくなっていきました。
メタる側が2021年のカードで頑張っている中、突破する側がどんどんアップデートされていくのですから同然の事かと思いますが、ガイアッシュバスターを始めに赤青マジック、2024年オリジナル環境覇者となっているファイアーバードに対してメタを並べてじっくりゲームを進めようとしてもうまく行かないのです。
またオリジナル環境のマーシャルループもそうですが現代の強いデッキというのは相手のメタを乗り越える力がとても高いです。
その方法として同一ターンでメタの無効化と自分の展開を同時にこなす事で乗り越えてくるのです。
とてもわかりやすい1枚がファイアーバードの「アリスの突撃インタビュー」です。
近年のカードデザインなのかアーテル・ゴルギーニや偽りの希望鬼丸「終斗」などの相手の面を取りつつ動きの起点になる札が増えているように思えます。GR期のようなコンボを主軸とした空中戦ではなく面の取り合いを重視とした地上戦を主軸としたデザインになってきているように私は考えています。
そのため現代の突破札を組み込まれることによってメタを用いた封殺は困難となりました。
そんな封殺は難しいと思いつつもメタビートを考察していた中で手ごたえのあった青黒COMPLEXをプレイしている時のことです。
時系列的には11月の半ば頃
始めはCOMPLEX有利と意気込んでいた大地サイクリカ対面であったが徐々に負け始めるようになっていき、他デッキに対しても取りこぼしが見えてくるようになりました。
決定的だったのが青黒COMPLEXのパルテノン+メタクリ複数の盤面を赤青マジック相手の「Napo獅子-Vi無粋/♪オレの歌 聞けよ聞かなきゃ 殴り合い」の呪文面1枚ですべて破壊されたことです。
パルテノンやメタクリと一緒に自分の試みと魂も破壊されたように思われましたが収穫はありました。
それは青黒COMPLEXと大地サイクリカ対面での早期COMPLEXの着地がゲームに対して及ぼす影響です。
メタによる封殺は難しいと考えていたのにも関わらず封殺の為にメタを並べるアプローチを引き続き行っていたのはうまく行くパターンとうまく行かないパターンが混在していたためです。
青黒COMPLEXの当時のアプローチとして
パルテノンとメタクリで稼いだ時間でCOMPLEXのカウントを達成するか5000VTを出して圧をかける事で押しきるというアプローチを行っていました。
しかし、COMPLEXというデッキも5000VTが非常に刺さるデッキである事に加えて大地サイクリカのベイBセガーレで攻め手の1つである5000VTを止められてしまいます。
そうなると結果的に泥試合になり大地サイクリカがパルテノンの行動制限下で5000VTを用いてこちらをロックしてシェル・アルカザールや勝熱と弾丸と自由の決断でパルテノンを退かしつつコンボを決めてきます。
ですがCOMPLEXが絡むパターンであると大地サイクリカ側の猶予ターンが短くなる事から相手の動きによっては間に合うのです。
この事は結構回した後に黒木氏に言われて初めて気づきました。
単にCOMPLEXが強いからで済む内容かもしれませんが、
これはCOMPLEXを立てることによりメタクリで稼いだターン中にゲームを終わらせることができるとも言えます。
このターンを稼ぐという考え方が抜けていたのです。
時を同じくして大地サイクリカのアプローチとしてCOMPLEXにハンデス札を入れ始めた時にとあるデッキタイプが開拓されました。
それは過去に没となった大地ウォズレックの進化系である
ヒラメキ大地ウォズレックです。
このデッキ自体は偶発的に生まれたものであり、大地サイクリカと青黒COMPLEXの調整結果とは無関係でした。
結構な期待値で3キルを成立させつつもメタクリと5000VTを用いた地上戦もできるこのデッキは頓挫していた青黒COMPLEXの検討を投げ出すくらいのポテンシャルを秘めており、これから暫くヒラメキ大地ウォズレックに注力することになります。
その中で2コスブーストが絡まずともメタクリによる遅延による猶予ターンで勝ち切るケースがそれなりの割合で見られました。
同じ大地系なんだから「ターンを稼ぐというアプローチ」はできるよなーと思いつつも漠然と回していく中で気づきます。
あれ?大地サイクリカよりも間に合うケース多くないか?
この時点で漠然と自分の中で求められるものが分かったと同時に、自分が切り捨てていたあのアプローチの真意に気づくこととなるのです。
メタカードの扱い方
はじめに余談から
アプローチが難航した理由が45枚採用の青黒COMPLEXというデッキの認識を間違えていたという事です。
そもそもCOMPLEXはメタを並べて封殺するコントロールデッキではなく、
多角的なメタを重ねることによって相手の選択肢を奪うコントロールデッキであったという点です。
殿堂ゼロ王でブライトンが使っていたダッカルパラノーマルが性質上近く、見た目こそ鬼羅Starのように見えつつもやっていることは前者なのです。
初めから時間を稼ぐというアプローチは成功していたのです。但しデッキの性質がコントロールの為、キルターンの遅さと相手のメタクリで更に時間を稼がれた結果、間に合っていなかっただけでした。
ハンデス札を入れたあたりからその事実に気づき、メタを封殺として用いるのではなく選択肢を狭めることで自分の速度に持ち込むといった試みはうまく行くようになりました。
本題に戻りまして
ではどういった相手にメタカードが有効かを考察していくわけですが。
一番メタカードを投げたい相手が3キルコンボデッキの為、そこを主軸に選ぶこととなります。
メタクリのアプローチと選択についてのあれこれは下記記事がまとめてくれているのでこちらで。
記事内では銀河転生に対して述べてますが、そこから大地ウォズレックやラッカBAKUONSOOO8thも想定3キルメンツに入ったので一層難しくなっています。
対策メタクリ早見表を有志が作っていたので乗せておきます。
この時点で仮想敵にある3キルデッキが銀河転生に加え、大地ウォズレックが増えたことでそれらに後手を取った際に抗う札である2コス以下のメタカードが一層着目されることとなります。
またメタクリの都合で採用文明にも序列が生まれるようになり、置換や封殺型の2コス以下のメタクリを擁さない闇文明の評価が若干落ちます。
そして求められる条件として銀河転生や大地ウォズレックに対しての一時しのぎができる2コスト以下メタクリを採用しつつ、強い動きの出来るデッキタイプを探す事となりました。
全てをメタカードで見るのではなくあくまでメインの動きを前提に補完として小型メタカード添えるといったものが理想。
そして12月序盤時点で2コスのメタクリを採用しづらいデッキタイプはこの時点で一気に評価を落とすようになり、私の中でサガループやアドバンスではTier1の黒単ゼナークをランクCに置く理由となりました。
そしてメタのアプローチと同時に求められるものが出てきました。
それは殿堂ゼロデッキに求められるメインキルターンが4~5ターンであることです。
速さは強さ
殿堂ゼロを始めたての私は黒木氏に現行の研究が3キルデッキに固執しすぎているように見えると尋ねた事がありました
自分の持論と成功体験からゲームを引き延ばす事で自分の速度に持ち込むことの有効性を経験していたからであり、当時の速度を無理に追い求めるアプローチはその動きができれば良いがそのパターン以外の出力が貧弱となる事から否定的に捉えていました。
その時に黒木氏に言われたのは「これ言うと別に3キルに固執してなくて3キルを殿堂ゼロの要素(必須ではないけどあったらいい物。デッキの価値はこれらの要素で図るみたいな)として捉えてた。」
この時(10月中旬)は特に響いていなかったのですがヒラメキ大地ウォズレックを回していくにつれて少しだけわかってきました。
殿堂ゼロのキルターンのボーダーが4~5ターンであるからこそ、
3ターンキルパターンを保持するデッキはその時点で対策を要求できているのが強みなのかと思うようになりました。ダーツデリートのために積みたくない禁断採用させてるようなもんです。
この事実に気づいた時は苦笑するしかなかったです。3キルアプローチに懐疑的だったのに偶発的に作ったデッキが3キルも現実的に狙えるデッキだったんですから。
同時に銀河転生の強みも理解しメタクリ採用せずともなぜ勝てるのか?の答えを用意することができました。やっていることがダーツデリートって言われれば納得です。
そんなこんなでこれからはキルターンも大体4~5ターンくらいのゲーム感で2コス以下のメタクリを採用できて、あわよくば3キルできるデッキが作れれば強そうと考えるようになりました。
最後のピース
12月21日(土)新弾の悪魔神、復活がリリース
その一週間前13日の開封生配信で出てきたカードを見ながら使えそうなカードは何かないか探していました。
その中で色々と情報を追っている中、新弾のあるカードが強いというツイートを見つけた。
それは金天使エン・ゴルギーニであった。
一見するとそこまで強そうに見えないし、現にこのカードについて言及されているところをあまり見ない。
しかし私は見落としていた。ハイパーエナジーというテキストを
ワイ「これ3コスで出るじゃん!」
この時、頭の中の記憶の片隅からとある理由から没にしていたデッキタイプが蘇ってきました。
そうです。ラッカBAKUONSOOO8thです。
元々3ターン目の動きがドローカードを打つかメタクリの2枚目を立てるかと少々浮き気味でかつ、フレアとバクオンソーが揃わなかったときのゲームが貧弱なことから軽視していたデッキタイプです。
あまりの感動にXで長文を垂れ流すレベル。この時の感動は本当に忘れられない。
特に同期の妖精との組み合わせが凶悪で対象を取る単発除去は全て無敵の同期に誘導される様はまさに殿堂ゼロ級
そこに5000VTが絡めばフレアバクオンソー出来なくても打点で押しきれる、まさに自分が求めていたサブプランを搭載したデッキとなりました。
しかもメタクリも多めに採用できている為、大地系や銀河転生に対して先手3キルを許すパターンを減らすことができ、また禁断も採用できている為ダーツデリートに対しても一定以上の勝率を担保できる事から一気にランクAへとのし上がりました。
2024年殿堂ゼロ総括
仮想敵が大きく変わった年でした。
元々はガイアッシュバスターに対しての違和感を覚えており、
他の殿堂ゼロプレイヤーも安定しないデッキ。殿堂ゼロ産デッキに強いが通常環境デッキに勝てないという共通認識を持っていたことからガイアッシュバスターからなんとかしようと思った当初
そこから紆余曲折あり、デッキ単体で見るのではなく周囲の顔ぶれを変化させることで自然淘汰を促すアプローチを行うことで結果的にガイアッシュバスターは立ち位置が悪くなり評価を落とすと同時に禁断採用したファイアーバードや青黒COMPLEXなどデッキの種類が増えた事でダーツデリートに対しての牽制も維持できたのは良い点でした。
そしてこれらの開拓の最中に偶発的に生まれたヒラメキ大地ウォズレックとラッカBAKUONSOOO8thという3キルを擁するデッキタイプが生まれたことで2コス以下メタクリのアプローチが必要条件に加わりました。
その結果、地上戦を繰り広げるようになったのが一番の変化かもしれません。
2024年秋~冬の殿堂ゼロは最後まで新たな発見が続いていたのです。
5.あとがき
クッソ長い文章をここまで読んでくれた方はありがとうございます。
本当であれば複数回の記事に分ける方が書く側も読む側も負担は少ない事は承知でしたが私の好みで一つの記事に押し込んでしまおうという試みでこのような形となりました。
元々記事自体は書くつもりだったのですが1月17日のDTLで殿堂ゼロが行われる事で1か月ほど前倒しした裏事情があります。
もしかしたらホットな今なら興味を持ってもらえるかなといったそんな浅はかな考えですが、実際に4か月ほど殿堂ゼロをプレイした感想としては皆さんが思っているような大怪獣バトルは行われてないという事です。
まぁ、とこしえや稲妻テスタロッサをプレイできなかった瞬間に3キルされて負けとかはあるのでそれが楽しいかどうかは各々ですが………。
触り始めの当初こそどうしようもなさを実感していましたがファイアーバードの輸入から一気に解像度が上がっていきました。
その結果メタクリと5000VTの投げ合いをするゲームになりましたが当初の3キル決まるか決まらないかのゲームをするよりはまだやり取りをしている気持ちになれるので個人的には楽しいです。
今後の環境推移ですがわかりません。
ヒラメキ大地ウォズレックとエンゴル採用ラッカBAKUONSOOO8thが出てきた時点で割と手詰まり感を感じています。そもそもここ数年のカードプールを知らなかったので白単アグロメカとか提示された時は宇宙猫みたいな顔してました。
また3キル内蔵デッキが新しく2種も生まれた事で一層ゲームの展開を見直す必要が出てきました。
元々は銀河転生と大地サイクリカがたまに3キルループしてくるくらいで残りはファイアーバードのハッターからの連鎖、赤青マジックのブン回りなど
見る種類が増えたことで何を見て何を見ないかの取捨選択が必要となってきました。
今アプローチとして考えているのはランクCにあるジャックオービーに種族選別を入れてリソース拡張を意識した構成にしてあげたらどうなるかといったところであれこれ試しています。
最後に
書きすぎぃ!
~完~