やっぱり球場が恋しくて。
長男が高校野球の引退を迎えてから2ヶ月。
いわゆる高校野球ロスなのか,しばらくは野球を見ると寂しくなって辛くなってしまう,みたいなおかしな状態だったけど,それをようやく脱した。
そうなってくると,やっぱり恋しい。あの熱気が。
新チームが始動して2ヶ月経ち,秋季大会に臨んでいるみんながどうなってるのか見てみたい。そう思って休暇を取った。
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秋季大会の会場は長男たちが引退を迎えた場所と同じだった。
小雨が降っていたあの日と違って,青い空と白い雲。
秋季大会だというのに夏空。
この階段を登ればちょうど応援席にあたりに出れるな,なんて球場の構造もちゃんと覚えてる。そりゃそうだ。まだ引退から2ヶ月しか経ってない。
階段を登る前から聞こえるグランドの声。
応援席のざわめき。
打球音に湧き上がる歓声。
あぁ。これだ。
この雰囲気にこの音。
あれほどしんどく感じていたまとわりつくような暑さすらも懐かしいほど,球場の空気に飢えていたことに今更気がついた。
スタンドに上がると,ほんの2ヶ月前まで一緒に応援していた後輩の母たちが笑顔で挨拶してくれた。
応援の迷惑にならないように小さく挨拶しながら視界を遮らないように急いで上段へ上がる。
現役の時は試合開始前からスタンバイしてたなぁ。こんなにゆっくりグランドを眺める余裕なんてなかった。
久しぶりに見るグランドは芝がまだ青かった。
試合は2回裏に入ったところ,0−0。
スタンドのメンバーたちが声を張り上げてる。声枯れちゃってる子もいる。
誰かがうまくリードしてて,応援も切れ目なく続いてる。
保護者たちがメガホンを叩く音がその声に重なり,チームの熱気に変わっていく。
バックネット裏には一般の方達だろうか。ちらほらと観戦するお客さんたち。
やっぱり,高校野球ってすごいな。こんなに暑くても観たいと思ってくださる方たちがいる。この空気感は唯一無二。一度ハマると抜け出せない沼。
暑いのに,自分の息子が出てるわけでもないのに,なんて思う人もいるかもしれない。
でも16〜18歳の高校生たちが全力で必死にプレーして,そのプレーにチームがみんなで喜んだり,励ましたりする姿からもらうエネルギーって特別で,言葉にならないほど心が元気になる。
好プレーが出た時のハイタッチ。エラーしてしまった時の励ます声掛けは私にとってたまらないご褒美だったりする。
結果は負けてしまったけど,一つひとつのプレーや雰囲気はすごくよかった。
新チーム,順調そうでよかった。いい試合だった。
勝てていたらもっとよかったのだけど。
そして思ってしまった。
あぁもっと息子の試合を見たかった。
やっぱりまだまだ,私は高校野球ロスだ。
野球好きな母が日々感じたことを綴ってます。何かのお役に立てたら幸いです。