
【感想】ノベライズ 花束みたいな恋をした 坂元裕二
1.あらすじ
2021年1月29日全国ロードショー、映画『花束みたいな恋をした』のノベライズ小説。あなたは思い出しますか?二人で過ごしたあの部屋と時間を、ベランダからの景色を、川辺の帰り道を……。すべての恋の思い出に捧ぐ、珠玉のラブストーリー。はじまりは、終電だった――東京・明大前駅で終電を逃し偶然に出会った山音 麦と八谷 絹。人生最高の恋をした、奇跡のような5年間を描く、映画『花束みたいな恋をした』より、ノベライズ、発売。劇中使用(&描き下ろし)のイラストも多数掲載!小説で、あの感動をもういちど。
2.感想
★★★★★ それぞれの恋愛遍歴は違えど共感できる話
最近読んだ本の中で最も楽しめた作品。
事前知識として、映画を観ていない私でも問題なかった。
その後、映画も観たがどちらが先でも楽しめると思う。
読んでいると、誰もが自分の経験に重ねてしまう人が多いのではないか。
付き合う前のわくわくした時間。
付き合った後の楽しい時間。
別れる前の冷めた時間。
別れた後の喪失した時間。
別れる前の楽しかった頃の思い出を話すシーンは涙してしまった。
あの頃はあんなに仲良かったのにな。
もし、麦が違う会社に就職していたら別れていなかったのかな。
そんな考えが頭によぎる。
麦と絹の考えはどちらも共感できる。
麦は、絹と生きるための責任を背負っていたし
絹は、麦と楽しく生きることを目的にしていた。
本作は、シーンごとの描かれ方が繊細だったり、綺麗なところも、よいのところの一つであった。
・初めて麦と絹がキスしたシーン
・2人が履いていた靴の変遷(コンバース → 革靴)
など。
3.印象に残った言葉
はじまりはおわりのはじまり
女の子に花の名前を教わると、男の子はその花を見るたびに一生その子のことを思い出しちゃうんだって
花言葉は、「信頼」「真実の愛」「秘めた愛」
あの若い二人は今咲いている花だ。花はいつか枯れる。だけど枯れてしまっても、そこに美しい花が咲いていたことは忘れない。