空想対話6〜気配りの内装仕様・細やかな施工・徹底したデザイン監理
旧公衆衛生院をとおして建築家・内田祥三との空想対話6〜気配りの内装仕様・細やかな施工・徹底したデザイン監理
「内田先生は防災、構造設計が専門と認識していたのですが、旧公衆衛生院を拝見していると、気配りの内装仕様、細やかな施工に驚きました。失礼しました。
そして、徹底したデザイン監理。やはり現場には厳しかったのでしょうね?」
「さて、どうでしたでしょうか。」
■気配りの内装仕様
全ての居室空間の使用目的に合わせた内装仕様、デザインがされている。
旧院長室の天井、壁に用いられたベニヤは当時の最先端
旧会議室、旧図書室の腰壁、木枠
旧食堂に使われた泰山タイル
ドアノブ、鍵は統一された日本金属製
空間に合わせたタイルの選定
トイレ大理石
ガラリ
上部は三角 ギリシャクロス(天)
壁面上部は 植物らしきデザイン(地上空間)
下部は四角 (地面)
■細やかな施工
前述の手が届く範囲は丸みを帯びた仕上げと合わせて、壁、柱から飛び出たモール、窓台のタイル、見切り等は全て斜め仕上げ
■徹底したデザイン監理
巾木のタイル、ジン研ぎは天を射すように全て斜めに。
コンクリート柱の足元までも化粧をし、斜めのラインにこだわる。
丸枠と斜め仕上げが組み合わさった窓枠
旧院長室、次長室のおそらく意味づけられた暖房器具前のガラリ
天を射す面取りは、上部に行くほど幅が広くなる
旧教室、旧研究室は全てリブ ヴォールに天井をつけたような丸みを帯びた四隅
「先生、見れば見るほどメッセージが隠されていますねー?」
「はて。。」
「最もメッセージを感じるのは旧講堂だと思うのですが?」
「。。。」
次は旧講堂へ。
続く