空想対話2〜△◯◇の構成その1
旧公衆衛生院をとおしての建築家・内田祥三との空想対話2〜△◯◇の構成その1
ゴシック建築の技術で代表的な、リブ・ヴォールト、フライング・バットレス、尖塔アーチは、旧公衆衛生院には見かけられない。
しかし、よく見ていくと、その考え方、意匠デザインのエッセンスが散りばめられている。これこそが内田ゴシックと言われる所以と思われる。
基本となる空間構成は、△◯◇でできている。
「内田先生、おでんはお好きですか?佇んでいると、どの部屋も△◯◇のリズムで構成されているのですが?」
「おでん?どういうことだね?」
①△のデザイン
まず、天空を突き刺すイメージを△のデザインと考える。外観では突き出たピラスターの先は、全て三角形である。
その形状は中央ホールの3階円形天井へ王冠のように組みこまれている。
このデザインを基本に、どの空間にも尖った△が必ず上部にある。
柱、壁には角の面取りを施し、途中で止め、三角が造形されている。
ホール正面に掛けられた時計の針、文字盤も三角。
要所要所で三角が飛び込んでくる。
驚かされたのは旧講堂の照明の光のシルエットで、中の電球を斜めにし、梁も投影できるようにあえて折ったと思われる構造にしてある。
「先生、天を突き刺すゴシックデザインはやはり△でイメージされているのですね?」
「さて、どうかな。。。」
つづく
(文責 関原宏昭)
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