空想対話3〜△◯◇の構成その2
旧公衆衛生院をとおして建築家・内田祥三との空想対話3〜△◯◇の構成その2
「次に◯についてなのですが、先生はどんな場所で、どんな時で、どんな方にも優しいくて、ジェントルマンでいらっしゃるのですね?」
「どういうことかな?」
② ◯のデザイン
◯と言うとすぐに頭に浮かぶのは中央ホールだが、ここはゴシック建築の全ての文脈につながる空間なので、後で述べることとする。
一部の空間を除いて室内・外を問わず入館者(利用者)の手が届く範囲、とりわけ柱、ドア枠、窓受け、造作出窓など全館に渡る基本デザイン全てに丸く面が取ってあり、優しい仕上げとなっている。
室外
室内 木製
扉枠 窓枠 木製
造作 木製
館内に入るとほおづえのある梁と格天井のスクエアなライン、そして△デザインが交錯するが、この丸く角をとる統一した機能&意匠が柔らかな印象を持たせる。
因みに角面があるのは、仕様の違う旧院長室、旧次長室、旧図書室にあたる。
「この建物はやはり、人が真ん中とということで手許は全て◯なのでしょうか?」
「公衆衛生院だからね。。。」
この丸みを帯びた仕上げは、ホールの大理石まわり、エントランスの列柱、外構へも及ぶ。徹底した指示である。
つづく