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昭和10年代への旅 その後
旧公衆衛生院
この館には昭和10年代の設え、機能が現役のまま生きている。痕跡は数限りなく残っている。
80年以上前の空間が現存していることは、奇跡かもしれない。
もちろん、復原のための修理、公共施設としての設備追加、改修はされているが、既存建物の状態が良好だったからこそ今の輝きがある。
昔を知る高齢者の方々が来館されるのは不思議ではないが、レトロな雰囲気マニアの若者が、コスプレをしてやってくるのには驚いた。
昭和10年代の空間へのトリップ、魅力的なのであろう。
空間の中にある設計者・内田祥三の思想。
リアルな中で、想像の自由と、広がりを増幅させる。足を運ぶ度に仮説が生まれる。
歴史背景をふまえつつ空間に居ると、よりイメージが膨らむ。
文責 関原宏昭