見出し画像

恋人は少しブス...01

 ロックミュージカルというモノが流行ったのは多分70年代の後半。ジーザスクライストスーパースターとかヘアーとかロッキーホラーショーとかのヒットでそれらの作品からインスパイアされた演出家が現れその手の劇団が日本にも沢山できた。トウキョウキッドブラザースなどがその代表的な劇団だったと思う。危ないデカでおなじみの柴田恭平さんの出身劇団だ。

 僕はとにかく映画が好きだったから手当たり次第に観まくった。そもそもは中学生の時、もうすっかり習慣化していた登校拒否をして学校に行くフリをして母の財布から小銭をくすねて新宿にあった二本立ての洋画をかけていた西口パレスという映画館に行っていた。入場料150円。そこでジーザスクライストスーパースターを観た。僕も結局ロックミュージカルにかぶれたのだけど僕の体験はほとんどが映画版での事だった。実際の舞台はほとんど観ていない。

 初めて、ぴあ、を見たのはその頃で同級生に見せてもらった。ガリ版印刷をホッチキスでとめたみたいな手作り感満載の雑誌だった。

 ご存知の通り僕は新興宗教の厳しい戒律の元で暮らしていたから、学校に行かずに、ぴあなんぞを読んで都内の安い名画座に入り浸っていたなんて母にバレたら大変な事になっただろう。だけどその件はバレなかった。学校に行かないのだから当然教師は心配して(当時登校拒否児童なんてほとんどいなかったので僕は登校拒否のはしりかも)家にやってくる。
 ところが母の信仰していた宗教では例え学校だとしても社会と接触するのはあまり勧められない、とされていたから学校に行かない事に関しては母から特別怒られたりはしなかった。しかし、一体どこにいるのか?という事になって僕はとっさに、図書館だよ、と答えた。
 

 やがて18になってあるロックミュージカル劇団(自称)とは言っても実に生まれたばかりのヒヨコちゃんといった感じの無名劇団だったがその劇団が新しい劇団員を募集していてオーディションをやるという情報をぴあで見て、受けよ、と即座に判断した。何を血迷ったのか…w

 その劇団で僕は少しブスな女の子に出会う事になる。
                   〜つづく〜

ここから先は

0字

読みたい人だけ読める記事、例えば若い頃の僕の恋愛やお金、バイト、友情、なんかについて書いていこうと思…

もしかして知り合い?プラン

¥1,000 / 月

レンタルプラン

¥10,000 / 月
人数制限あり

チップは本当に助かります。僕にはまだ夢がありまして、それは今よりもっと大きな画角の絵を描きたいんです。画板は何とかなりますが家は狭く今でさえとんでもない事になっています。そこで大きな画面の絵を描くアトリエを借りたいんです。そのためにお金作らないと、と思っています。よろしくです。