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失いかけていた「悔しさ」ー2023年J1昇格プレーオフ準決勝VS.東京ヴェルディ-

2023年11月26日17時。試合終了のホイッスルが鳴り響き、緑の集団が歓喜の声を上げる一方で、黄色い集団は静寂に包まれました。「J1昇格」というJ2に属するならどのチームも目指すものが目の前でまたしても味の素スタジアムで奪われました。私自身現地にて観戦をしていましたが、試合終了と共に浮かんできた想いは「悔しさ」でした。



試合終了とともに胸の奥から沸々と湧いていた「悔しい」という気持ちを感じたとき、やっとここに戻って来れたのだなと痛感しました。私たちサポーターはここ近年のチームの状況を見て、「悔しい」という思いを感じることは少なくなりました。さらにジェフというチームに失望し、「負けてもどうでもいい」という無関心に突入してスタジアムから去る人もいました。私自身エスナイデル政権後のチームが崩壊している姿を見て一定期間離れましたが、ユン・ジョンファンの監督就任を機に舞い戻りました。


今シーズンの前半戦はかなり苦労しました。開幕戦で勝利を飾ったものの、その後は勝利がなかなか掴めず。J3降格が何度も頭をよぎりました。結果が掴めない中、やっているサッカーは面白く、チーム全体も一体感が出てきていたので、私たちサポーターも応援するしかありません。結果だけが伴わないという状況はサポーターとしても辛かったですが、当事者である選手やスタッフはもっと苦しかったでしょう。

苦しい前半戦を過ごしたチームは、後半戦に入り、快進撃を始めます。攻守が噛み合いだし、前半戦の負債を回収するかの如く、順位をグングン上げていき、なんとかプレーオフ進出に滑り込みました。まさに最後尾からラストランで栄光を掴み取った感覚です。前半戦の苦悩からでは想像できないようなシーズンの締めくくりでした。


最終盤のチーム状態は最高でした。選手スタッフの一体感がサポーターまで波及し、チームを後押しするため、ホームスタジアムであるフクアリには1万人以上の観客が足を運びました。これほどまで良い状態でプレーオフに進出できれば念願のJ1昇格が叶うのではないかと皆期待しました。しかし現実はそう上手く行きません。シーズン通して安定な成績を残し、盤石のチーム作りをしてきた東京ヴェルティに完膚なき迄に叩きのめされて、万事休す。またもや昇格の夢はここ味スタで阻まれました。

試合終了のホイッスルが鳴ったとき、ずっと応援していた常連サポーター、ここ数ヶ月の快進撃を見て好きなった新規サポーター、プレーオフだから行ってみるかと思いふらっとやってきた離反サポーター…すべてのジェフサポーターに「悔しい」という気持ちが芽生えたはずです。「この気持ち懐かしいなぁ」「こんな悔しいの初めて。」「久しぶりにフクアリ行こうかな」。この敗戦で私たちが味わった「悔しい」という気持ちは今後に繋がるでしょう。エスナイデル政権1年目、木山政権、関塚政権1年目に感じた「悔しさ」は悔しさのままで私たちの血肉となっているでしょうか?そこは疑問です。今シーズン味わった「悔しさ」を次に活かさないと意味がありません。


厳しいことを言ってしまうと、今のジェフはJ2降格から3年目くらいの状態に戻っただけです。やっとプレーオフに手が届くようになっただけです。そこを肝に銘じてチームもサポーターも行動しないといけません。今のチームなら過去と同じ道は歩まないような気はしますが。

今シーズンは本当に楽しかった。チームがどんどん良い方向に向かっていく様子が目に見えて分かりました。さらになんといっても、ジェフの真骨頂である「走る」「前線からのプレス」で見ている人を感動させる選手が現れたことも個人的には嬉しかったです。敗戦から学び成長してきたチームです。この敗戦から新たに学び、サポーターを驚かせてほしいですね。


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