『メル・リルルの花火』第14話をみました

【芝居のポイント】
自分ごとの物語

【公演概要】
おぼんろ第18回本公演『メル・リルルの花火』
語り部:末原拓馬、さひがしジュンペイ、わかばやしめぐみ、高橋倫平、黒沢ともよ、田所あずさ
ムーブメントアクター:渡辺翔史、坂井絢香、山城秀彬、miotchery、堀田聖奈、権田菜々子
公演期間:2020年4月17日(金)~26日(日)
劇場はオンライン(公式YouTubeチャンネル):https://www.youtube.com/channel/UC5gxLbqTgaKOcfOI2k0CIJQ
公式ホームページ:https://www.obonro-web.com/16-1

2020/04/26/17:00開演観劇

おぼんろの第18回本公演『メル・リルルの花火』は千秋楽を迎えた。

この芝居では1話が終わる毎に「続きはまた明日(あるいは後で)」と締めくくっていたが、14話最後のセリフは「続きは、いつまでも」だった。芝居の中でも、これはペズロウの物語であり、語り部たちの物語でもあり、参加者の物語だ、だからいつまでも自分たちの心に残るだろう、と語られた。私にとってもこの物語は自分ごとの体験として記憶に残ったと思っている。

Covid-19の影響で外出を自粛する日々に、「映画鑑賞は、映画館へ行くという行為も含めた体験だったのだ」という意見を聞いた。芝居も全くそうだと思った。劇場へ向かう道のり、帰りに出会うものすべてを含めて演劇を観に行く面白さだといえるだろう。オンラインで演劇を配信するとき、いわば『体験的鑑賞』は不可能だろう、だから面白さが半減すると思っていた。けれど、連続して毎日配信するというこの9日間(気持ちとしては休演日を含めた10日間)は、飲み物を用意しながら開演を待った時間も、終焉後ツイッターで感想を読んだ時間も、あるいは芝居を観るためにご飯の時間を調整した日常生活を含めて、『メル・リルルの花火』の物語に参加する『体験』だったと感じている。

オンライン上の劇場でも、リアルな劇場に劣らぬ良さがある。特にこの芝居は、『想像力』を使うことに重きを置いていた。物語世界へ意識を向け自ら思いをめぐらせる楽しみは、オンラインで音声のみの芝居だったからこそ強まったと感じている。これがリアルな劇場でも上演されるときリアルならではの良さをどのように引き出して作られるか楽しみだ。同時におぼんろに関わらず、今後オンライン演劇ならではの可能性がさらに広がっていくと面白いと思う。

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