南関東の石造物⑬:海晏寺五輪塔群(伝・梶原景時、北条時頼、北条時宗、二階堂出羽守供養塔)
名称:海晏寺五輪塔群
伝承など:梶原景時、北条時頼、北条時宗、二階堂出羽守供養塔
所在地:東京都品川区南品川 海晏寺
大井町駅から南に下った所にある南品川の海晏寺は、寺伝によれば鎌倉時代の建長年間に北条時頼によって開かれた寺院であると言う。
境内に入ってすぐ左手に四基の五輪塔があり、それぞれ梶原景時、北条時頼、北条時宗、二階堂出羽守の供養塔と言う伝承があるが、これは海晏寺が北条時頼の開基によることから生じた伝承であろう。
五輪塔はいづれも室町時代後期の造立と思われ、おそらく各パーツの組み合わせは当初のままではないであろう。
このうちの一基には「明応」と言う銘文があると言うが、私が見た際には確認出来なかった。
四基のうちの一基(三枚目)は地輪に時頼の法号と没年が刻まれており、この五輪塔が時頼の供養塔なのであろうが、銘文は追刻である。
完形ではないかも知れないが、東京二十三区内に残る五輪塔としては比較的古いものである。
なお、同寺には松平春嶽、由利公正、岩倉具視の墓もあるが、それらは非公開である。
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