北関東の石造物㉕:清源寺五輪塔群(南氏の墓)
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名称:清源寺五輪塔群
伝承など:南氏の墓所
所在地:栃木県足利市名草中町 清源寺
足利市の清源寺は南宗継開基の寺院であり、境内を外に出て南方に行った竹林の中に南氏の墓所がある。
墓所は五輪塔と宝篋印塔で構成され、正面列の五基の五輪塔にはいづれも銘文があり、向かって右から応永二十年、康暦三年、応安四年、至徳三年、応永七年銘で、南北朝時代後期から室町時代前期にかけて造立されたものである。
墓所中で最古の銘文を持つ中央の五輪塔が南宗継の墓であるが、南氏は足利氏の執事を輩出した高氏の一族で、宗継は足利尊氏の側近として活躍した人物であり、高師直の又従兄弟に当たる(なお、南宗継の墓とされる五輪塔は、同じ足利市樺崎の光得寺の足利氏・高氏の五輪塔群内にもある)。
この宗継の墓を含めて五輪塔はいづれも銘文の通り南北朝時代から室町時代前期の特徴を持つが、皆空風輪のみは別石であり、それぞれのパーツも当初からの組み合わせではない可能性もある。
なお、五輪塔の傍らには同時期の作と思われる宝篋印塔もある。
また、清源寺の近くにある金蔵院は、かつての南氏の館跡で、境内には宗継の孫・南宗氏の墓と言う五輪塔があり、地輪には永和元年銘があるが、当時のパーツは地輪だけで、水輪以上は別の五輪塔のパーツを載せたものである。
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