滋賀県内の石造物㉚:旧妙法寺宝篋印塔
名称:旧妙法寺宝篋印塔
伝承など:なし
所在地:東近江市妙法寺町 妙法寺跡
東近江市妙法寺町の町名は、かつてこの地にあった妙法寺と言う寺院に由来し、現在町の集会所の傍らには、その妙法寺の遺物である宝篋印塔が建っている(なお、この宝篋印塔がある場所は、「滋賀県内の石造物㉛」で紹介した光林寺の北向かいである)。
現在は妙法寺町で管理されており、塔身の石仏には腹掛けがかけられており、石塔自体が地域の信仰の対象となっていることを物語る。
宝篋印塔は鎌倉時代後期の作で非常に安定感があり、およそ二メートルの大型塔で、隅飾りは一孤で古式を示している。
塔身には鎌倉時代後期の永仁三年銘が、基礎には造立趣旨が刻まれ、それによると吉田四郎次郎西円と言う人物(在地豪族か)が造立した供養塔である。
現状惜しくも相輪の一部を欠くが(近年までは完存していたようである)、独特の存在感のある古様の宝篋印塔であり、造立年代や趣旨が判明していることからも大変貴重な石塔である。
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