中部地方の石造物㊶:丈六寺五輪塔

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名称:丈六寺五輪塔

伝承など:良弁供養塔

所在地:三重県名張市赤目町 丈六寺


名張市の丈六寺は、平安時代初期に空海によって創建されたと言う真言宗の寺院で(あるいはさらに古い大宝年間に開かれたとも伝わる)、寺名は丈六仏の釈迦如来を本尊していたことに由来する。

境内には、二メートルを超える鎌倉時代後期の大型五輪塔がある。

五輪塔には正応四年銘があり、東大寺の初代別当・良弁の供養塔と伝承されているが、後世の伝承であろう。

ただ、丈六寺のある赤目町は奈良の室生寺や桜井の長谷寺にも近く(丈六寺は室生寺の北の入口で、北門と称されていた)、奈良の仏教文化の影響を受けたいたことがうかがえるので、良弁の伝承もそのあたりから生じたのかも知れない。

いづれにせよ、三重県では屈指の古塔で貴重である。

なお、五輪塔は近年大規模な修復がなされ、破損部分が修理され、失われた反花座も新たに再建された(写真は修復以前に撮影したもの)。


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