南関東の石造物⑲:千手院宝篋印塔
名称:千手院宝篋印塔
伝承など:安東氏の墓?
所在地:千葉県館山市安東 千手院
館山市安東の千手院は、現在は小さな堂宇が一つ建つだけで、境内のほとんどが墓地であるが、その一角に地蔵石仏が納められている大型のやぐら(一枚目)があり、その上には一基の宝篋印塔が建っている。
地蔵石仏には南北朝時代の文和二年の銘文があり、宝篋印塔も形式からするにおそらく同時期の造立であろう。
完形の宝篋印塔で、安房地方の宝篋印塔としては最大級のものである。
銘文も伝承もないので詳しい来歴はわからないが、同地を拠点にした鎌倉時代以来の安房の豪族・安東氏と関連する石塔であろうか。