京都府内の石造物⑲:安福寺層塔(伝・平重衡供養塔)
名称:安福寺層塔
伝承など:平重衡供養塔
所在地:京都府木津川市木津宮ノ裏 安福寺
JR木津川駅から北方の木津川方面に少し歩いた所にある安福寺は、平重衡縁の地である。
平清盛の五子で、「本三位中将」の通称で知られる重衡は、一の谷の合戦で捕らえられた後、東大寺大仏殿焼失によって東大寺の僧の怒りを買っていたことによって鎌倉から引き渡され、木津川で処刑されたが、後に重衡を供養するためにこの寺が建てられ、供養塔が造立されたと言う。
安福寺の本尊の阿弥陀如来は、重衡が処刑前に最後に拝んだ仏像と伝わり、本堂は村人が重衡を哀れんだことから「哀堂(あわんどう)」と通称された。
重衡の供養塔と言われる十三重の層塔は、鎌倉時代後期の作であり、相輪と最上層は後補であるが、四メートルを超える巨大な石塔である。
なお、重衡の墓と称される石塔は、京都市伏見区醍醐にもあるが(二枚目)、こちらははるか後代に建てられたものである。