北関東の石造物⑨:蘆野氏旧墳墓五輪塔
名称:蘆野氏旧墳墓五輪塔
伝承など:蘆野氏の墓所
所在地:栃木県那須郡那須町芦野 蘆野氏旧墳墓
奥州街道の旧芦野宿の一角に、蘆野氏旧墳墓と呼ばれる墓域がある。
この位置は中世から蘆野氏が治めた場所で、江戸時代には蘆野氏は交代寄合となり、引き続き幕末まで芦野の領主となった。
蘆野氏は那須氏の一族で、那須氏八代当主の那須資忠の四男・資方から始まり、以降那須本家を支える有力一門として活躍した。
この旧墳墓は、江戸時代初期までの当主の墓があり、江戸時代中期以降の当主の墓所は新墳墓と呼ばれる別所に営まれている。
竹林の中に墓域が広がっており、中世から近世にかけての五輪塔が建っているが、このうちの一基(写真四枚目)は、鎌倉時代末期の造立と考えられ、墓所内で最古の五輪塔である。
蘆野氏が那須氏から分かれたのが鎌倉時代の後期と考えられるため、おそらく最初期の当主の墓塔であろう。
また、五枚目の五輪塔は各部のバランスが悪いため乱積みかも知れないが、これも比較的古い石塔で、南北朝時代から室町時代の造立と思われる。
六枚目の五輪塔は、空風輪を除けば完形であるが比較的新しく、戦国時代の作であろう。
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