見出し画像

HLGによるHDR動画撮影

1.HDRとSDR

HDRとはHigh Dynamic Range(ハイダイナミックレンジ)の略称で、
より広い輝度とコントラスト範囲(ダイナミックレンジ)を表示できることを意味する。LOG撮影によってカメラは14ストップ程度を記録することができるが、ディスプレイの表示の能力は従来のSDR( Standard Dynamic Range)では、6stop程度であり、明暗差が大きいシーンで暗いところに露出を合わせると白飛びを起こしてしまい、画面上の明暗部を同時に再現することは困難だったが、HDRディスプレイは、11stop程度のダイナミックレンジの表示が可能になり、Rec.709のSDR(Standard Dynamic Range)ディスプレイと比較して、最大10倍ほどの明るさを表示できるようになった。

画像2

2.HLG

HDR(High Dynamic Range)動画では、これまで不可能だった画面上の明暗部を同時に再現可能になったため、リアリティのある「輝き」や「暗部」を階調豊かに表現することができ、見た目に近い映像表現が可能になった。

HLGは(Hybrid Log-Gamma/ハイブリッド・ログ・ガンマ)の略で、HDR方式の一つである。最も明るいピーク輝度を上限にして、中間分の輝度値は相対的に決まる。

下図のように中間部分まではSDRと同じガンマ特性することにより、従来のSDRディスプレイと互換性をもたせることで、HDR非対応受像機でも問題なく表示することができる。SDR環境でHLGをみると中間以上の映像は少し暗く見えることになる。


名称未設定 1


3.色域

色域は、表現できる色の範囲を示します。右図は人間の目が知覚できるRGBを平面上に再現した色域図です。BT.2020(Rec.2020)は、従来のフルハイビジョン放送で用いられるBT.709(Rec.709)よりも大幅に広い色域をカバーしている。

画像4


4.HDR国際規格BT.2100

一般的にHDRと呼ばれる場合は、「解像度」「フレームレート」「輝度」「色域」「ビット深度」の5項目が基準となり規格が構成されます。BT.2020とBT.2100はほぼ同等の内容ですが、表現できるダイナミックレンジが違います。
規格.003

5.HLG撮影のメリット

最近のカメラにはHLG方式でのHDR動画を撮影できるものが増えてきた。HLGで撮影するということは、HDR環境でのメリットはもちろんのこと、SDR環境においてもグレーディングの面ではLOG撮影よりも扱いやすく、
ハイライト部分もしっかりと残すことができるため、白飛びもかなりの確率で抑えられる。そして何より、ビット深度8bitのRec.709より広い10bit、Rec.2020の色域を使うことで、色も豊かな表現が可能だ。SDR環境でのHLGで撮影するメリットは十分にある。


SDR画像5

HDR画像6


いいなと思ったら応援しよう!