バレンタインデーに秩父でぼっち旅行をした話 ②謎の山・武甲山
景色とブランコを満喫した私は、次に芝桜の丘を訪れた。ここは羊山公園のシンボルとも言える場所で、4月から5月にかけて、辺り一面が芝桜に覆われる。まるでピンクの絨毯のようである。しかし、先ほどから申し上げているように、今日は2月14日。すなわちオフシーズンである。この日の芝桜の丘はこんな感じであった。
【もはやただの丘。】
真っ茶色。
地面は土と枯葉に覆われており、惣菜屋の揚げ物コーナーもビックリするほどの茶色さである。残念ながら芝桜を見ることはできなかった。オフシーズンだから当たり前である。完全に私が悪い。ただ、秩父のシンボル・武甲山がよく見えたのが不幸中の幸いであった。芝桜が咲いたらまた来よう。
芝桜の丘についてはこちら
羊山公園を後にした私は、先ほど見えた武甲山が気になっていた。そういえば、そもそも山に行きたくてこの旅行を計画したのだ。というわけで、武甲山に向かって、行けるところまで歩いてみることにした。まずは、住宅と畑が点在するエリアを通った。観光地でも何でもないので人は全然いなかったが、住民の気配や舗装された道路があったので、安心感はあった。ところが、山に近づいていくにつれ、アスファルトの道路は獣道のようになり、住宅街は木々が生い茂る林へと変わった。
【なんかジブリっぽい。】
私は特に登山用の装備を持ってきていなかったので、少し不安になった。これ以上ガチな山になったら生きて帰れないかもしれない。道中にちょいちょい現れる「熊出没注意」の看板が、より一層恐怖心を煽る。これは本物の熊であり、リラックマとはわけが違う。遭遇したら最期、あの世で永遠にリラックスさせられてしまうことになる。
ビクビクしながら森の中を進んでいると、丁字路に差し掛かった。その道路は舗装されており、ちょっと一安心。どちらの方向に進もうか迷い、まずは右を見てみた。そこには、「関係者以外立入禁止」と書かれた看板と、駐車場の入口にあるようなバーが置いてあった。なぜこんな山奥に?このバーの先には一体何があるのだろうか?国が極秘実験を行っている研究所かもしれないし、悪の組織のアジトかもしれない。とにかく、ただのぼっち大学生が干渉できる場所ではないと判断したので、私は反対の方向に向かって歩き始めた。不審者扱いされるのも嫌だったので、写真も撮らなかった。
引き続き山の中を歩いていると、やはり見慣れない光景が広がっていた。道路の左右には、白い石のような物が大量に積まれている。木々の隙間からさらに山奥が見えるが、そこでは巨大な重機が動いていた。
【高さは2~3mくらい。似たような物があちこちにあった。】
この武甲山には、一体何が隠されているのだろうか。気になった私は、文明の利器(Google)を使って調べてみた。どうやら、石灰岩の鉱床となっているようだ。しかも、推定可採鉱量約4億トンの大鉱床で、不純物が少ない良質な石灰岩が採れるらしい。ここで採れた石灰岩は、消石灰、炭酸カルシウム、セメントなど、様々な素材に加工される。私が今まで見てきたものは、採石場や工場、そして実際に採掘された石灰岩であった。
武甲山の鉱床についてはこちら
武甲山の正体が分かって頭がスッキリしたのと同時に、山の出口に差し掛かって道が開けた。入口を少し見ただけとは言え、鉱山に入ったのは初めてだったので、新鮮で面白かった。何やかんやで2時間くらい歩いていたので、西武秩父駅から結構離れてしまった。西武線に乗って駅に戻る。
②はここまで。③へ続く。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?