「未来コンビニ」柚子の木をイメージした建築構造がシンボリックな、小さな村のライフライン
■概要
「四国のチベット」と呼ばれる徳島県那賀郡・旧木頭村。限界集落化が進むこの地に初めて誕生したのが「未来コンビニ」です。
デザインを担当したコクヨの佐藤航さん、青木耕治さんに、このコンビニが誕生した背景やデザインの特徴についてお話を伺いました。
■背景
木頭村の周囲にスーパーはなく、最寄りの大きなスーパーまで車で2時間かかるという不便な生活・買い物環境でもありました。そこでこの集落の未来を考えると、子どもを育み、木頭村の村民と来訪者の接点となり、ライフラインを担う場が必要となりました。
■コンセプト
未来コンビニの“未来”とは、マンガ家の手塚治虫先生が子どものことを“未来からやってきた未来人”と呼んだことにちなんでいます。この地が子どもを育む場所になることを願ってKDHさんに命名されました。
■ 課題となった点、手法、特徴
コストメリットとメッセージ性という2つの側面を叶えるため、汎用的な建築構造を用いてオリジナルデザインに昇華することを考えました
トイレ・控室などの個室の天井の高さも同様に低く抑え、空間を構成するすべての要素が大屋根の下でそっと低く置かれるイメージで設計し、ひとつの空間になるように計画しました。
さらに、ここではコンビニ機能だけでなく奥にはカフェがつくられ、木頭のオリジナル商品や地域の柚子やハーブを使ったドリンク、ソフトクリームなどを楽しむことができます。