胡散臭いのに聞いてしまうのはなぜだ?③
鴨頭嘉人が学長の話し方の学校。ベーシックコースを卒業し、ぼくが躊躇うことなく進学を決めたのが、【アドバンスコース】。
このアドバンスコースは、ベーシックコースを卒業した生徒が進学できるクラスです。半年間+コロナ感染拡大の時期の影響で2ヶ月間、【宿題】をする回数が増えることになりました。つまり8ヶ月=約240日間の間、意識して【笑顔】を作り、【言葉をプレゼントする】ために目の前の相手をほめることに挑戦し、相手にどの言葉を渡せば喜ぶのかを考えるために【相手の関心に関心を寄せ】、その実践を報告する毎日。自然と標準の表情も笑顔になってきます。
ぼくの場合は、職場に行けば上司や同僚、食事に行けば飲食店の店員、そして実家に帰れば家族。ひたすら言葉を渡そう。言葉はプレゼントだ。きちんと声帯を震わせ、声に出し、言葉で自分のプレゼントしたい世界を浮かび上がらせて相手にプレゼントする。積み重ねました。常にぼくたち話し方の学校の生徒は【宿題】を意識して向き合っていました。
そして、やっとスピーチの【型】を手に入れたのです。
しかし【型】を手にしたからといって、話が全て伝わるほどスピーチは甘くないのです。ぼく自身も型を意識して話をしても伝わらないという痛みも体験してます。けどそれで良いのです。挑戦したのだから。
話しが上手い人ほど、話が伝わる人ほど【自分の話は伝わっていない】という【ネガティブ】な気持ちを持っている、と鴨さんは言います。話しを伝えるのに必要な感情はネガティブな感情だ、と鴨Tubeで話しをしています。
いつも前向きな言葉と眩しいと感じるぐらいの笑顔で話しをする鴨さんにとって【ネガティブ】が必要な場面。
それが【スピーチ】の場面なんです。
鴨さんは聴いている人が、「あれ?」という表情を見つけたとき、鴨さんは例えの話しを加えて聞いている人の理解の【解像度】を上げます。解像度とはスピーチの場合、相手が分かりやすくイメージをしやすいように例え話などを加える事です。
小学校で講演をしている時。「働くこと」についてのスピーチでは、講演家の仕事の素晴らしさを伝えるのではなく、マクドナルドで働いていた時の話で小学生に働くことの【絵を浮かばせる】ような伝え方をしています。『小学生に講演家という話はイメージしにくいので、働くことは人を喜ばせること、という言葉のプレゼントは渡しにくい』ということを鴨さん自身が理解しているからでしょう。
2014/7/14投稿
小学校『働くことの楽しさ』を伝える特別授業
https://youtu.be/8btTJf8edho
また同じ内容を【繰り返し伝える】こともあります。これは聞いている人の表情や反応から自分の話が伝わっているかを【視て(みて)聴いている】から出来ることなのです。つまり『相手に伝わっていない』を感じた時に瞬時に「解像度を上げる必要」があるのです。
鴨さんは瞬時にそのための【社会的な実証・データ】【偉人の言葉や有名な格言】【自らの体験や経験のエピソード】を頭の中から出し、なるほどと聴き手が納得しているのを確認してから話しを進めていくのです。
話しが上手い人は、【聴いている人を置き去りにしていないかにアンテナが張れる優しい人】ということなんですよね。なのでぼくは鴨さんのスピーチの途中によくいう言葉、「OKかなっ?」と笑顔で言ってくれる瞬間の鴨さんが好きです。
では聴いている人が様々な立場の人が居たらどうでしょう。
それは経営者なのか、教育者なのか、主婦なのか。
鴨さんは会場全体を見て、聴き手が【今こんな事に悩んでいるのでは】を意識して話しをしてくれます。話し方の学校など聴き手の立場や状況の多様性のまさにその最高峰でしょうね。でも共通の悩みは、『話し方で悩んでいる』なのです。そこに変わりはありません。
経営者、教育者、主婦、学生、高校生、中学生、中には鴨さんよりも年上で社会的にステータスの高い受講生もいることでしょう。それでも【取りこぼしなく】話そうとしているのは、聞いている人に「話しが伝わらない」だから「伝わるように話しをしよう」という講演家の優しくて丁寧な心が見える話し方をしているからなのです。
そのため鴨Tubeでアンチコメントと言われるような、「当たり前のことを話している」「みんなそんなこと知っている」「知っていることを大袈裟に話す」などのコメントは、まさに【真理】とぼくは考えています。YouTube視聴者はそれこそ経営者、教育者、主婦、学生、高校生、中学生、だけではありませんからね。その試聴した人にとっては既に理解できていたという解像度の話しが出てきた、ということなのです。そうです。70億人の様々な立場の聴き手がいるであろうYouTubeの世界で【理解しやすくするためにバカ丁寧に話しをしている人】を認めてくれているのです。アンチコメントって時には学びですよね。
常に鴨さんの頭の中には
【聴き手】
【聴き手は今どんな状態】
【言葉のプレゼントを渡そう】があります。
そして聴き手の中に芽生える、
やってみたら【良いこと】と分かっていても
「わからないぞ」
「難しそうだな」
「不安だな」
となって聞いている人に対して
「わかったぞ♪」
「簡単だな♪」
「怖くない!やってみよう♪」
と受け取り、自ら行動できるような話し方をしているのです。
だから自分で行動に移せた人たちは学びが好きになります。
それは鴨さんの感情的で熱い話し方だけではないのです。
科学的に【スピーチの設計図】を鴨さん自身が理解しているから、より多くの聴いている人に話が刺さり、言葉が残り、動けるのです。
そして【聴いている人】が【自分から変わる】という目的地に行くためのスピーチの設計図の分析の仕方を学べる場所、それが話し方の学校アドバンスコースだったのです。
その学びの下準備としてベーシックコースの【宿題】。日頃から誰かに言葉をプレゼントと意識して渡すの実践が必要なのです。
次回からは【聴いている人】が【今どんな状況】で【なりたいイメージ】はあるのに【でもさぁ無理だよ】と諦めそうになった時に【良いことがあるんだよ】と丁寧に伝えることで、自分から自分の変化を起こしていくという【スピーチの真髄】について、鴨Tubeを分析しながら考えていきます。
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