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セカオワを再び好きになる話。

私はSEKAINOOWARIに、二度恋に落ちた。

一度目は、小学校六年生のとき。
当時、RPGが世間でバズっていた。サビの誰にでも分かりやすくて深い歌詞が、みんなの心に響いたのだと思う。ガチオタ友達と毎日セカオワの話をして、現像したセカオワの写真を交換し合った。
PVが出る日の朝はずっとワクワクしていて、家に帰ってパソコンを開き、「スノーマジックファンタジー」のPVを何周もして宿題をサボっていた。
一週間家に帰れない宿泊学習の時は、電子機器持ち込み禁止だったが、小型カメラにRPGのPVを録画して持ち込み、夜中に布団の中でこっそり見た。幸いバレずにセカオワを補給できた。
クリスマスプレゼントには、炎と森のカーニバルのライブDVDを買ってもらった。学校帰りの楽しみとなり私の生活にファンタジーが取り入れられたのだ。
だがライブには一度も行けなかった。田舎で会場まで遠く、子供なのでお金もなく。DVDで我慢できていたのは今考えるとすごいと思う。

中学生の頃もセカオワで騒いでいたが、少しずつ熱が冷めていた。
テレビでハロウィン音楽祭を見ていた時に、仮装で歌っていたジャニーズに沼った。それも一組前にセカオワが歌っていて、セカオワ見るために見ていたのに。
そこからは、かのジャニーズ沼にすっかり陥り五年ほど課金した。
ライブに行き、グッズやCDを買った。
バイト禁止の高校に通う中、居酒屋のキッチンで安時給で働いて、課金のための軍資金を賄った。
高校三年生、別グループの年下の子に沼り、青春を持って行かれた。
そんな私も高校を卒業し、いざ夢の専門学校生活に向けて準備をしていたのだ。コロナが出始めの春の時だった。

コロナが最盛期の中、大阪の専門学校に通い出した私は、大阪にいるのにジャニーズのオタ活ができず、せっかく会場近くに住んでるのに、なぜライブに行けないのだと苛立ち、自然と熱が冷めていった。

ふと、セカオワの「周波数」が耳に入り、なにこれすごい良い曲じゃんと、Apple Musicで一曲買った。永遠ループで聴きまくる。ジャニーズ沼の間にリリースされた曲も聴くようになり、再びセカオワファンになっていった。

ある日、同じクラスで仲良くしてた子が、「セカオワのライブのチケットあるんやけど、一緒に行かへん?」と突然誘ってくれたのだ。
コロナ明けの久々のライブ。バイトのシフトが入っていたが休ませてもらい、学校帰りにライブに行くという、都会住みしかできない夢が叶った時だった。

初めてセカオワが見れる、しかもかなり前の席。あの時のときめきは今でも消えない。目の前に輝く四人の姿が見える。オーラが凄まじく体から光を放っているようだ。生歌が脳の中まで響く。この時間が一生続けば良いのにと願う頃には、もう帰る時間になってしまった。

帰り道、親に興奮冷めやらぬまま電話を繋ぎ、着地点のない話を聞いてもらった。次の日は早朝ケーキ屋バイトだったが、朝まで余韻に浸っていたため寝ずにバイトに向かった。魔法をかけられたような一日は、誰よりも幸せだったと思う。

そして現在、かれこれライブに六回も行くことができた。グッズも買えている。小学生の時の自分に手紙が出せそうだ。

小学生の時の自分へ。20歳になったら再びセカオワ好きになって、セカオワから元気もらってんで。小学生の時と同じくらい、がむしゃらに生きてるから、あんたも勉強しっかりやって友達と仲良くな。

23歳の自分より。

理由はどうであれ、幼い頃好きだったものは未来に繋がっていて、自分らしく生きるためのヒントになっていると私は思う。
今、私は幼い頃好きだったSEKAINOOWARIに背中を押され、お菓子作りの仕事で人を喜ばせることが出来ている。
迷ったらワクワクする方を選んでみよう。僕らはもう一人じゃない。


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