地元徳島に活かすために by リトルフィールド美波 / 城ノ内高等学校(徳島) #住み続けられるまちづくり
はじめに
”住み続けられる町”ってどんな町だろう?
田舎?都会?自然がたくさんある所?お店がたくさんある所?自治がうまくいっている所?教育機関が整っている所?・・・
何も予想がつかなかった私ですが、唯一感じていたことは、人口減少や過疎化が急激に進行している地元の徳島県は、確実に”住み続けられる町”ではないということです。そこで多くのプログラムのからヒントを得、徳島県を持続可能なまちとするため、既存の事例を探究するとともに、自分なりのアプローチ法も考えてみました。
SDGs・目標11”住み続けられるまちづくりを”とは
持続可能な開発目標(Sutainable Developmental Goals)とは、2015年の国連サミットで採釈された、2030年までに持続可能でより良い世界を目指す国際目標です。17の大きな目標と、169のターゲットで成り立っています。その中の目標11”住み続けられるまちづくりを”では、居住についての問題に焦点を当てたものです。世界の人口は都市部に集中し、今後もさらに人口は密集していくと予想されています。そんな中で、都市部に生活する人々に快適で便利な生活を提供し、持続可能な開発をできるようにするための方向性が示
されています。
〔ヒントを得たプログラム〕
① 11月7日「ポートランドのまちづくり」
ポートランド州立大学 西芝雅美さん
以前からSDGsに特化していると耳にし、気になっていたポートランド。現地の西芝さんから、歴史的背景も含め、新しいまちづくりの世代を生み出したポートランドについて、たっぷりお話を聞かせていただきました。
”アメリカで最も住みたい街 No.1 オレゴン州ポートランド”
その理由は…?
住民が”自分の住みたいまち”の有様を主張し、
公正なプロセスを進めて作り上げてきたまちだから!
例えば・・・
トム・マッコール・ウォーターフロント・パーク
この公園、実は、”高速道路”を撤去してできたんです!住民が高速道路の撤去、そして家族向けの施設の建設を訴えたことで、アメリカ史上初の閉鎖・撤去となりました。
公正なプロセス
まちづくりを進めていく上で重要な”公正性”。例えば新しい政策を始める際、それによって他に影響を受けるグループや民族、人種などはいないか、考慮しなければいけません。ポートランドは公正性確立のための実行計画をしています。
イメージ画像の右はEQUITY(公平性)です。
全てを平等に扱うため、対応後も格差はそのままです。
しかし左のEQUALITY(公正性)なら、状況に応じて対応されるため、対応後の質は同一になるのです。
ポートランドは徳島県の地域活性化を考える私にとって、模範となるまちでした。
② 11月16日「白馬で挑むリゾート地開発」
岩岳リゾート 代表取締役社長 和田寛さん
白馬といえばスキー場、スキー場=冬というイメージがありますが、それを覆すために”オールシーズンのマウンテンリゾート”という取り組みを行っています。このプログラムからは、人を魅了するプロモーションの進め方について学びました。
白馬岩岳マウンテンハーバー
スキー・スノーボードはもちろん、グリーンシーズンには、バギークルーズや子供向けのパーク、キャンプなども楽しめます。北アルプスの絶景を正面に建設されたブランコは、なんと、4時間待ちの時もあるそうです!オシャレなカフェもあり、アドベンチャーとリラックスの要素がバランス良く、まさに”リゾート”という感じでした。
◎効果的な”PR”の方法について
私が白馬のプログラムで感じたことは、PRに卓越しているということです。何より大切なのは、コンテンツの質です。自信を持って人々に知ってもらいたい、来て欲しいと思うものかどうか、そうでないならば工夫を加えて質を高める、新たに作り出すというのも方法です。また、世間のニーズを理解し、時代にあったPRをするために、マーケティングを行うことも重要です。
考 察
このように、長年の研究と経験を積まれた方々からプログラムから多くのことを学びました。そして私がたどり着いた考えは、
完璧な”住み続けられるまち”はない
ということです。どこに焦点を当てるかによって、人それぞれ”住みたいまち”は変わってきます。
美しい自然に囲まれエコな暮らしを送りたい人はポートランドに住みたいでしょうし、スキーやキャンプといったアウトドアを好む人は白馬に住みたいかもしれません。しかし、どのまちにも課題は残っています。
例えば、ポートランドの人口では歴史的背景から、白人の割合が70%を超えており、黒人の割合はごくわずかです。人種の多様性に富んだまちだとはいえないでしょう。また、白馬には外国人観光客を受け入れない宿泊施設があったり、スキー場の施設の老朽化が進んでいたり、観光地として十分な対応が取れていない面もあります。
それぞれのまちの利点と欠点を考慮し、人々は観光先や移住先として決めるのです。
しかし、だからと言って徳島県を放棄するということではありません。
では、地元の徳島にどう活かしていくかです。私がせかい部に応募した理由の1つは、徳島県を活性化するヒントを得るためでした。コロナ禍でイレギュラーな日々が続く中、どのようなアプローチをしていくべきなのでしょうか。
関係人口を増やす
関係人口とは、地域と強力な関係性遠持つ人々のことを指します。
例えば、その地域で生まれた・滞在したことがあったり、第二の故郷であったり、いつか戻りたいと望む人、何度も観光に訪れるリピーターなどです。
私はこの関係の強さこそが、地域を活性化すると確信しています。
そしてそういった徳島県と強い関わりを持つ人々を増やしていくためには、”魅力”が必要で、それを伝えていかなければなりません。
・誰もが憧れる魅力的な職場
インターネットで世界中がつながっているこの時代。正直、環境が整っていれば仕事はもうどこにいてもできる世界です。テレワークの体制を受け入れることで、徳島県に関わろうとしている県外・国外の人々とつながることができます。
サテライトオフィスの進出
県内には約4万戸もの空き家が残されていますが、空き家リノベーションの取り組みを生かせば、ローコストで唯一無二のオフィスを生み出すができます。これからより多くの企業が徳島県でサテライトオフィスを営むことを期待しています。
徳島県神山町のサテライトオフィス
・自ら発信していく
SNSを利用することで、私たちは自分の思いを世界中に発信することができます。#せかい部×SDGs探究プロジェクトのレポーターをした2ヶ月間、 活動の報告をSNSを通して行ってきました。主にスライド、インスタライブを利用したのですが、友人やレポーターからの反響は大きく、賛成や反対の意見も含めて有意義なものが返ってきました。#せかい部×SDGs探究プロジェクトは終わりましたが、私はこれからもSNSを利用した発信を続けていきたいと思います。
#せかい部 ×SDGs探究プロジェクトを通して
今回の活動は、徳島県と向き合うために応募しました。しかし、多くのプログラムやレポーターとの交流を通して感じたことは、私が次向き合うべきものは”せかい”であるということです。#せかい部×SDGs探究プロジェクトは、レポーター同士の啓蒙の促進の場でもあり、普段なら出会うことのない全国の高校生から刺激を受け、心強い仲間が多くいることを実感しました。彼らとともに多くの人々を巻き込んで、2030年まで走り続けていきたいと思います。
しかし、2030年はゴールではなく、1つの区切りです。
”No one will be left behind” 幸せな世界を作っていくため、世界中のみんなが協力し、先頭に立つような人間になりたいと、強く思います。せかい部は私の中のスタートラインでした。
〔参考文献〕
https://www.happytraveler.jp/2016/05/willamette-river.html?m=1
https://note.com/helixmakimaki/n/n2328e4130d6c
https://iwatake-mountain-resort.com/hmh
https://nativ.media/9544/
https://mainichi.jp/articles/20160618/ddf/001/040/014000c
城ノ内高等学校(徳島) リトルフィールド美波
#せかい部 ✖︎SDGs探究PJ高校生レポーター(住み続けられるまちづくり)
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